可憐な花は黒魔導士に二度恋をする
「さあ、お腹いっぱいになったことだし、そろそろ準備しましょうか!」
一通り食べ終えて片付けたバスケットを握ってベンチから立ち上がった。
露店を急いで回って早々に食べ終えたのには理由がある。
燈夜祭を締めくくるメインイベントであるオーブを用意し始めないといけない。
魔法に慣れた上級生たちは各自でオーブを作るのだが、新入生たちはそうもいかない。
上手く作れる生徒がいる一方で、焦れば焦るほど上手くいかないままお祭りがお開きとなり涙を呑む生徒が毎年必ずいるのだ。
失敗をバネにして次こそはとリベンジに燃えるのも大事だと教師たちは言うが、この燈夜祭に並々ならぬ意気込みで臨んでいる生徒が少なくないことを大人たちは知っているんだろうか。
それはつまり、告白だ。
この幻想的な雰囲気で良いムードが三割増しになったところで意中の人に「一緒にオーブを飛ばしませんか」と声を掛けるという算段だ。
それなのにオーブが作れないのでは話にならない。
だから今年は、ハインツ研究室特別プレゼンツとして「ハインツ先生が作ったオーブ無料配布」企画を立ち上げたのだった。
一通り食べ終えて片付けたバスケットを握ってベンチから立ち上がった。
露店を急いで回って早々に食べ終えたのには理由がある。
燈夜祭を締めくくるメインイベントであるオーブを用意し始めないといけない。
魔法に慣れた上級生たちは各自でオーブを作るのだが、新入生たちはそうもいかない。
上手く作れる生徒がいる一方で、焦れば焦るほど上手くいかないままお祭りがお開きとなり涙を呑む生徒が毎年必ずいるのだ。
失敗をバネにして次こそはとリベンジに燃えるのも大事だと教師たちは言うが、この燈夜祭に並々ならぬ意気込みで臨んでいる生徒が少なくないことを大人たちは知っているんだろうか。
それはつまり、告白だ。
この幻想的な雰囲気で良いムードが三割増しになったところで意中の人に「一緒にオーブを飛ばしませんか」と声を掛けるという算段だ。
それなのにオーブが作れないのでは話にならない。
だから今年は、ハインツ研究室特別プレゼンツとして「ハインツ先生が作ったオーブ無料配布」企画を立ち上げたのだった。