可憐な花は黒魔導士に二度恋をする
魔力を使い切ってしまったわたしを横抱きにして馬車に戻ったハインツは、わたしを膝の上に乗せたまま御者に出発するように指示を出した。
「ハインツ、下ろしてちょうだい。わたし一人で座れるわ」
「嫌だ」
回す腕により一層力を込めてぎゅうっと抱きしめられてしまった。
「リナリィ、愛してる」
耳元で囁かれたその声にはたっぷりの熱が込められていて、心臓がドキンと跳ねた。
「ええっ!」
いきなり甘すぎる!
いや、夫であるハインツは確かに二人っきりの時は糖度が半端ない激甘だったのだが、わたしはまだ「先生と生徒」であり「監視役とその対象」でもあった頃の意識が抜けきっていなくて、こんな風に簡単にスイッチを切り替えられない状態だというのに。
大声を出してしまったせいで、わたしの腕の中で眠るシャドウが身じろぎした。
その様子を見てハインツが腕を緩めると、シャドウは目を開けて「にゃぁぁお」と小さく鳴いた。
そしてわたしの腕からぴょんとジャンプして向かい側の座席に着地し、また体を丸めて寝てしまった。
「シャドウったら、本当に猫になっちゃったのね」
元々猫なんだけれども、何だか不思議だ。
「しばらくは監視と観察が引き続き必要だろうな」
「大丈夫よ、これからもわたしとハインツが見守っていけばいいんでしょう?ライトもいるし」
にっこり笑うと、またぎゅうっと抱きしめられてしまった。
「可愛い」
もうっ、甘すぎます!
「ハインツ、下ろしてちょうだい。わたし一人で座れるわ」
「嫌だ」
回す腕により一層力を込めてぎゅうっと抱きしめられてしまった。
「リナリィ、愛してる」
耳元で囁かれたその声にはたっぷりの熱が込められていて、心臓がドキンと跳ねた。
「ええっ!」
いきなり甘すぎる!
いや、夫であるハインツは確かに二人っきりの時は糖度が半端ない激甘だったのだが、わたしはまだ「先生と生徒」であり「監視役とその対象」でもあった頃の意識が抜けきっていなくて、こんな風に簡単にスイッチを切り替えられない状態だというのに。
大声を出してしまったせいで、わたしの腕の中で眠るシャドウが身じろぎした。
その様子を見てハインツが腕を緩めると、シャドウは目を開けて「にゃぁぁお」と小さく鳴いた。
そしてわたしの腕からぴょんとジャンプして向かい側の座席に着地し、また体を丸めて寝てしまった。
「シャドウったら、本当に猫になっちゃったのね」
元々猫なんだけれども、何だか不思議だ。
「しばらくは監視と観察が引き続き必要だろうな」
「大丈夫よ、これからもわたしとハインツが見守っていけばいいんでしょう?ライトもいるし」
にっこり笑うと、またぎゅうっと抱きしめられてしまった。
「可愛い」
もうっ、甘すぎます!