可憐な花は黒魔導士に二度恋をする
幸いなことに父親への差し入れや婚約者に会いに来たと言えば、魔導士棟の敷地内へ顔パスで入れるリナリアだ。
リナリアも学生であるため毎日訪れるのは無理だし、さすがにそんなに頻繁では怪しまれてしまうため週に1回程度ではあったが、それでも着実に現場を押さえている。
リナリアは懐中時計を取り出して確認し、日付と共に正確な時刻を手帳に書き込んだ。
その下にさらに場所と何をしていたのかを記入していく。
先ほど目撃した光景のことだ。
「ええっと……可愛すぎると言って……笑って……いた」
「何してるの?」
誰かに後ろから声を掛けられたが、記入の完了が最優先だ。
「待ってくださる?記憶が鮮明なうちにメモしておかなければいけませんの」
記録し終えて振り返ると、そこに立っていたのはなんとハインツだった。
驚きのあまりリナリアは呼吸をするのも忘れて口をはくはくさせる。
「な、何をなさっているんですか!?」
声を上ずらせ、後ろから覗かれたかもしれないと動揺しながら浮気の記録をつけている手帳を後ろ手に隠した。
リナリアも学生であるため毎日訪れるのは無理だし、さすがにそんなに頻繁では怪しまれてしまうため週に1回程度ではあったが、それでも着実に現場を押さえている。
リナリアは懐中時計を取り出して確認し、日付と共に正確な時刻を手帳に書き込んだ。
その下にさらに場所と何をしていたのかを記入していく。
先ほど目撃した光景のことだ。
「ええっと……可愛すぎると言って……笑って……いた」
「何してるの?」
誰かに後ろから声を掛けられたが、記入の完了が最優先だ。
「待ってくださる?記憶が鮮明なうちにメモしておかなければいけませんの」
記録し終えて振り返ると、そこに立っていたのはなんとハインツだった。
驚きのあまりリナリアは呼吸をするのも忘れて口をはくはくさせる。
「な、何をなさっているんですか!?」
声を上ずらせ、後ろから覗かれたかもしれないと動揺しながら浮気の記録をつけている手帳を後ろ手に隠した。