可憐な花は黒魔導士に二度恋をする
ローブを翻して優雅に去ってゆくハインツを見送り、リナリアも帰ろうと踵を返して歩き始めた時だった。
通りかかった建物の窓の内側から漏れた白い光が顔に当たって目がくらみ、ぎゅっと目を瞑る。
何やらクラクラするような感覚に、これは魔法をくらったなと思いながら尻もちをついたリナリアは自分の視界が先ほどまでとは全く変わっていることに気づいた。
視線の高さが妙に低い。
自分の両手が白い毛で覆われている……だけでなく手のひらには肉球がある。
先ほどまで肩に掛けていたバッグが妙に大きくなって地面に落ちている。
「え? ええっ? どういうことなのぉぉっ!?」
そう叫んだつもりだったのに「んにゃあぁぁっ!」という鳴き声しか出せない。
リナリアは、姿が猫に変わっていたのだった。
通りかかった建物の窓の内側から漏れた白い光が顔に当たって目がくらみ、ぎゅっと目を瞑る。
何やらクラクラするような感覚に、これは魔法をくらったなと思いながら尻もちをついたリナリアは自分の視界が先ほどまでとは全く変わっていることに気づいた。
視線の高さが妙に低い。
自分の両手が白い毛で覆われている……だけでなく手のひらには肉球がある。
先ほどまで肩に掛けていたバッグが妙に大きくなって地面に落ちている。
「え? ええっ? どういうことなのぉぉっ!?」
そう叫んだつもりだったのに「んにゃあぁぁっ!」という鳴き声しか出せない。
リナリアは、姿が猫に変わっていたのだった。