絶対通報システム
9月6日
それから、真澄くんがしつこくあとを着けてくることはなくなった。
ときどき視線を感じることもあるけど、クラスメイトだしそれぐらいは仕方ない。問題が解決してからも、私たちは相変わらず昼休みには中庭に来ていた。
横島くんがあれからも私たちを気にかけてくれて、よく話すようになったからだ。
いつの間にか、中庭のベンチでめぐみちゃんと私、横島くん。それと横島くんと同じサッカー部の秋成くんも入れて4人でご飯を食べることが増えてきていた。
秋成くんはクラスでもムードメーカーだけど、昼休みもそのテンションは変わらなかった。横島くんと話したいめぐみちゃんに、よく「秋成うるさいっ」とか怒られていたけど。
ふたりともクラスのなかでは“一軍”だ。正直嬉しい気持ちの方が勝っているだろう。私自身も、そんな仲良しの会話が楽しいと感じていた。
「ほんと、真澄が付きまとうのもなくなったし、横島くんのおかげだよ」
めぐみちゃんが何度目かわからないお礼を言うと、横島くんは「たいしたことしてないよ」と笑った。続けて秋成くんが「そうそう、たいしたことしてない。だいたい、久代に話しかけるきっかけができて喜んでるくらいだから――」と、まで言ったところで「やべっ」と口を押さえた。
それって、どういう意味……?
横島くんの方を見ると、顔を真っ赤にしている。
「秋成、お前余計な事言うなっ!」
まさかだけど、横島くんが私のこと気になっているとかじゃないよね?
もしそうなら……嬉しいけれど。
耳の先が熱くなってくるのがわかる。
そのとき、ふと気になってめぐみちゃんを見た。
めぐみちゃんはなにも感じていないような、まるで人形みたいな表情をしていた。
ときどき視線を感じることもあるけど、クラスメイトだしそれぐらいは仕方ない。問題が解決してからも、私たちは相変わらず昼休みには中庭に来ていた。
横島くんがあれからも私たちを気にかけてくれて、よく話すようになったからだ。
いつの間にか、中庭のベンチでめぐみちゃんと私、横島くん。それと横島くんと同じサッカー部の秋成くんも入れて4人でご飯を食べることが増えてきていた。
秋成くんはクラスでもムードメーカーだけど、昼休みもそのテンションは変わらなかった。横島くんと話したいめぐみちゃんに、よく「秋成うるさいっ」とか怒られていたけど。
ふたりともクラスのなかでは“一軍”だ。正直嬉しい気持ちの方が勝っているだろう。私自身も、そんな仲良しの会話が楽しいと感じていた。
「ほんと、真澄が付きまとうのもなくなったし、横島くんのおかげだよ」
めぐみちゃんが何度目かわからないお礼を言うと、横島くんは「たいしたことしてないよ」と笑った。続けて秋成くんが「そうそう、たいしたことしてない。だいたい、久代に話しかけるきっかけができて喜んでるくらいだから――」と、まで言ったところで「やべっ」と口を押さえた。
それって、どういう意味……?
横島くんの方を見ると、顔を真っ赤にしている。
「秋成、お前余計な事言うなっ!」
まさかだけど、横島くんが私のこと気になっているとかじゃないよね?
もしそうなら……嬉しいけれど。
耳の先が熱くなってくるのがわかる。
そのとき、ふと気になってめぐみちゃんを見た。
めぐみちゃんはなにも感じていないような、まるで人形みたいな表情をしていた。