NEVER~もう1度、会いたい~
「えっ?」
またしても彼の予想外の言動に、未来が戸惑っていると、女性が2人現れて
「では、こちらにどうぞ。」
といずこへかと案内しようとするから
「あの、翔くん・・・?」
説明を求めようと翔平を見た。それに対して
「とりあえず、俺に任せてくれ。」
翔平はその一言。仕方なく、促されるままに未来はチャペルを出た。
それから約2時間・・・再び女性たちに誘われた未来は、純白のウェディングドレスを身に纏い、それは美しくも可憐な花嫁姿となって現れた。
「いやぁ・・・眩しいな。綺麗だぜ、未来。」
既に自らもタキシ-ド姿となっている翔平が、感に堪えないという表情で言う。
「あの、翔くん・・・?」
一方、まだ状況が呑み込めない未来は、説明を求めるように翔平を見る。すると
「今から式、挙げるぞ。」
翔平からまさかの一言が飛び出した。別室に行くと、このドレスに着替えてくれと言われ、それから我ながら美しい花嫁に変身させてはもらったが、これはブライダルフェアの一環なのかな?などと思っていたら・・・。
「翔くん、いきなり、何言い出すの?」
未来の混乱はピークに達する。
「勝手なのは百も承知だ。だけど、俺はどうしても今日、未来と夫婦になりたいんだ。」
「ちょっと待ってよ。いくらなんでも心の準備も何にも出来てないし・・・。」
「もちろん、シーズンオフになったら日本に帰って、改めてみんなを招いて式はやる。でも俺はどうしても今日を2人の出発の日にしたいんだよ、未来。」
懸命に訴えて来るその姿に
「相変わらず強引だな、翔くんは・・・。」
ため息混じりに言う未来。
「すまん・・・。」
「その代わり、日本の式の時は、いっぱい我が儘言うよ。」
「なんなりと、花嫁の仰せのままに。」
翔平が胸に手を当て、恭しく頭を下げた。
「もう・・・。」
一瞬、プッとふくれた未来だったが、すぐに笑顔になる。その笑顔に、翔平もとびきりの笑顔を返す。すると、それを見計らったように牧師が入場して来た。
「それでは、これから式を開始いたします。」
牧師の声に、翔平は神妙な表情になって、未来の腕を取り、牧師の前に歩を進める。その翔平の横で未来は
(これも悪くない、かな・・・。)
と思い始めている自分に気づいていた。そして翔平を見やると
(翔くん、私はもう絶対にあなたの前からいなくなるようなことはしないから・・・だからあなたも絶対に私を離さないで、ね。愛してるよ、翔くん・・・。)
心の中でそう囁くと、そっと彼に寄り添っていた。
[END]
またしても彼の予想外の言動に、未来が戸惑っていると、女性が2人現れて
「では、こちらにどうぞ。」
といずこへかと案内しようとするから
「あの、翔くん・・・?」
説明を求めようと翔平を見た。それに対して
「とりあえず、俺に任せてくれ。」
翔平はその一言。仕方なく、促されるままに未来はチャペルを出た。
それから約2時間・・・再び女性たちに誘われた未来は、純白のウェディングドレスを身に纏い、それは美しくも可憐な花嫁姿となって現れた。
「いやぁ・・・眩しいな。綺麗だぜ、未来。」
既に自らもタキシ-ド姿となっている翔平が、感に堪えないという表情で言う。
「あの、翔くん・・・?」
一方、まだ状況が呑み込めない未来は、説明を求めるように翔平を見る。すると
「今から式、挙げるぞ。」
翔平からまさかの一言が飛び出した。別室に行くと、このドレスに着替えてくれと言われ、それから我ながら美しい花嫁に変身させてはもらったが、これはブライダルフェアの一環なのかな?などと思っていたら・・・。
「翔くん、いきなり、何言い出すの?」
未来の混乱はピークに達する。
「勝手なのは百も承知だ。だけど、俺はどうしても今日、未来と夫婦になりたいんだ。」
「ちょっと待ってよ。いくらなんでも心の準備も何にも出来てないし・・・。」
「もちろん、シーズンオフになったら日本に帰って、改めてみんなを招いて式はやる。でも俺はどうしても今日を2人の出発の日にしたいんだよ、未来。」
懸命に訴えて来るその姿に
「相変わらず強引だな、翔くんは・・・。」
ため息混じりに言う未来。
「すまん・・・。」
「その代わり、日本の式の時は、いっぱい我が儘言うよ。」
「なんなりと、花嫁の仰せのままに。」
翔平が胸に手を当て、恭しく頭を下げた。
「もう・・・。」
一瞬、プッとふくれた未来だったが、すぐに笑顔になる。その笑顔に、翔平もとびきりの笑顔を返す。すると、それを見計らったように牧師が入場して来た。
「それでは、これから式を開始いたします。」
牧師の声に、翔平は神妙な表情になって、未来の腕を取り、牧師の前に歩を進める。その翔平の横で未来は
(これも悪くない、かな・・・。)
と思い始めている自分に気づいていた。そして翔平を見やると
(翔くん、私はもう絶対にあなたの前からいなくなるようなことはしないから・・・だからあなたも絶対に私を離さないで、ね。愛してるよ、翔くん・・・。)
心の中でそう囁くと、そっと彼に寄り添っていた。
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