NEVER~もう1度、会いたい~
翌日、未来が京王記念病院の前に立ったのは、午後1時少し前。事前に確認した入院患者への面会時間の開始は、自分の所属する病院と同じだった。
(この病院に翔くんがいる・・・。)
今更ながら、緊張感が襲って来る。もう会うことはない、そう思っていた相手だった。大きく1つ息をすると、未来は病院の中に足を踏み入れた。
「高城翔平選手に面会に来たのですが。」
受付で勇気を出して告げると、相手は探りを入れるような視線を向けて来る。
「失礼ですが、高城選手とはどのようなご関係でしょうか?」
ジャパンが誇るエースストライカ-高城翔平が、この病院に現在入院していることは、報道で周知の事実となっていて、関係者から一般のファンまでいろんな人々が彼を訪ねて来る。当然のことながら、そんな彼ら全員を、翔平に会わせることなど、出来ないし、許されない。必然的に、病院側のガードが固くなり、多くの人が門前払いとなる。
そして今、翔平との関係を聞かれて、未来は言うべき言葉が見つからなかった。だから彼女は言った。
「藤牧未来がお見舞いに伺ったと、高城選手にお伝えください。私の名前を聞いて、高城選手がそんな人は知らない、もしくは会いたくないとおっしゃるなら仕方ありません。ですから、私の名前を高城選手ご本人に必ずお伝え下さい。よろしくお願いします。」
そう言って、頭を下げた未来を、受付の女性はいよいよ不審げに見たが、それでも受話器を取って、どこかへ連絡し始めた。恐らく、翔平のいる病棟だろう。会話を終え、受話器を置いた女性は
「しばらくお待ち下さい。」
と未来に告げる。会釈を返した彼女の胸の中に様々な思いがよぎる。
(翔くんは私に会ってくれるだろうか・・・?)
そのことに対する自信は未来にはなかった。忘れられていることはないとは思っているが、翔平に会うことを拒まれる可能性は十分あることは自覚していた。
(本当は、今更翔くんに会いに来る資格なんて、私にはないんだから・・・。)
待たされること、どのくらいの時間だったんだろう。電話が鳴り、受話器を取った女性は二言三言、相手と話すと
「かしこまりました。」
最後に言って受話器を置くと
「高城選手がお目に掛かるそうです、どうぞお入り下さい。」
未来に告げた。それを聞いた次の瞬間
「ありがとうございます。」
未来は深々と頭を下げた。
(翔くんに会える、会ってくれる・・・。)
未来の胸はいっぱいになった。
(この病院に翔くんがいる・・・。)
今更ながら、緊張感が襲って来る。もう会うことはない、そう思っていた相手だった。大きく1つ息をすると、未来は病院の中に足を踏み入れた。
「高城翔平選手に面会に来たのですが。」
受付で勇気を出して告げると、相手は探りを入れるような視線を向けて来る。
「失礼ですが、高城選手とはどのようなご関係でしょうか?」
ジャパンが誇るエースストライカ-高城翔平が、この病院に現在入院していることは、報道で周知の事実となっていて、関係者から一般のファンまでいろんな人々が彼を訪ねて来る。当然のことながら、そんな彼ら全員を、翔平に会わせることなど、出来ないし、許されない。必然的に、病院側のガードが固くなり、多くの人が門前払いとなる。
そして今、翔平との関係を聞かれて、未来は言うべき言葉が見つからなかった。だから彼女は言った。
「藤牧未来がお見舞いに伺ったと、高城選手にお伝えください。私の名前を聞いて、高城選手がそんな人は知らない、もしくは会いたくないとおっしゃるなら仕方ありません。ですから、私の名前を高城選手ご本人に必ずお伝え下さい。よろしくお願いします。」
そう言って、頭を下げた未来を、受付の女性はいよいよ不審げに見たが、それでも受話器を取って、どこかへ連絡し始めた。恐らく、翔平のいる病棟だろう。会話を終え、受話器を置いた女性は
「しばらくお待ち下さい。」
と未来に告げる。会釈を返した彼女の胸の中に様々な思いがよぎる。
(翔くんは私に会ってくれるだろうか・・・?)
そのことに対する自信は未来にはなかった。忘れられていることはないとは思っているが、翔平に会うことを拒まれる可能性は十分あることは自覚していた。
(本当は、今更翔くんに会いに来る資格なんて、私にはないんだから・・・。)
待たされること、どのくらいの時間だったんだろう。電話が鳴り、受話器を取った女性は二言三言、相手と話すと
「かしこまりました。」
最後に言って受話器を置くと
「高城選手がお目に掛かるそうです、どうぞお入り下さい。」
未来に告げた。それを聞いた次の瞬間
「ありがとうございます。」
未来は深々と頭を下げた。
(翔くんに会える、会ってくれる・・・。)
未来の胸はいっぱいになった。