21トリソミー
『気持ちは分からなくはないけどさ、それで子作りは違くない?』
「違うかな? 妻が夫との子どもを欲するのはおかしいの? 普通じゃないの?」
『だって、友樹の気持ちはもう他に行ってるんだよ?』
「それでも夫婦だもん」
『…………』
奈子は、何を言っても私が『それでも夫婦』という言葉でねじ伏せることを悟ったのだろう。私に反対意見を言うのを諦めた。
友樹の気持ちは松岡さんへ移った。でも、戻ってくるかもしれないじゃない。触れられない松岡さんより、触れる私の方がいいはずじゃない。
『……子どもは夫婦を繋ぎ止めるための道具じゃないからね?』
私を否定するのを辞めた奈子が『分かってるよね?』と、確認のような釘を刺す。
「当然でしょ」
子どもは、愛の証で、愛のかたまりだ。だから、欲しいんだ。
「違うかな? 妻が夫との子どもを欲するのはおかしいの? 普通じゃないの?」
『だって、友樹の気持ちはもう他に行ってるんだよ?』
「それでも夫婦だもん」
『…………』
奈子は、何を言っても私が『それでも夫婦』という言葉でねじ伏せることを悟ったのだろう。私に反対意見を言うのを諦めた。
友樹の気持ちは松岡さんへ移った。でも、戻ってくるかもしれないじゃない。触れられない松岡さんより、触れる私の方がいいはずじゃない。
『……子どもは夫婦を繋ぎ止めるための道具じゃないからね?』
私を否定するのを辞めた奈子が『分かってるよね?』と、確認のような釘を刺す。
「当然でしょ」
子どもは、愛の証で、愛のかたまりだ。だから、欲しいんだ。