【完結】私は全力であなたに夢中です!


「柿川さん」

「あ、冬馬さん……!」

 き、来た!

 カフェで待つこと三十分、仕事を終えた冬馬さんはすぐにカフェにやってきた。

「待たせてすみません」

「いえ!大丈夫です」

 仕事終わりの冬馬さんからは、ふんわりとしたシャンプーの香りがした。

「もしかして、シャワー浴びましたか……?」

 シャンプーの香りがするってことは、そういうこと、だよね?

「だって汗臭い姿で会うなんて、失礼ですし。これもエチケット、ですからね」

 な、なんて素敵な人なんだろう……。気を遣ってくれるなんて、すごくいい人。

「……あ、じゃあ、行きますか?」

「そう、ですね」

 カフェを出た私たちは、そのまま歩き出す。

「柿川さん、何か食べたい物ありますか?」

「そうですね……。あの、冬馬さんは好きな物ありますか?」

 そう問いかける私に、冬馬さんは「俺の好きな物は……そうだな。お寿司ですかね」と答える。  

「お寿司が好きなんですね、冬馬さん」

「まあ、好きですね」

 冬馬さんはお寿司が好きなのか……。

「わ、私も好きです!」

「え?」

「お寿司!……好きです」
 
 はぁああ……やってしまった。
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