【完結】私は全力であなたに夢中です!
「いらっしゃいませ〜」
夕方になると、私の働くお弁当屋は少し混雑し始める。
私の働くお弁当屋の名前は【たらふく弁当】。美味しいものをたらふく食べてほしいという思いから、名付けられた。
そんなたらふく弁当で働く私、柿川美央(かきかわみお)二十五歳。
たらふく弁当で働き始めてからもう三年になる。 毎日たらふく弁当で働くのが楽しくて、この仕事が大好きだ。
「美央ちゃん、唐揚げ二つね! あ、ご飯大盛りで」
「はい。 唐揚げ二つお願いします!大盛りです!」
カウンターから調理場に向けて注文を取ると、調理場から「了解!唐揚げ二つね!」と元気な声が聞こえてくる。
「お待たせしました!のり弁です」
「ありがとうございます」
「お会計390円です」
たらふく弁当の人気ナンバーワンはのり弁だ。次に唐揚げ弁当だ。
ご飯は大盛りが無料なので、仕事終わりのサラリーマンたちはよく大盛りにしている。
「唐揚げ弁当お待たせしました!」
「いつもありがとうね、美央ちゃん」
「こちらこそ、いつもありがとうございます」
ここはサラリーマンだけじゃなく、主婦にも大人気だ。
そしてそんなお弁当屋に、よく来る常連さんがいる。