【完結】私は全力であなたに夢中です!


「いらっしゃいませ〜」

 夕方になると、私の働くお弁当屋は少し混雑し始める。
 私の働くお弁当屋の名前は【たらふく弁当】。美味しいものをたらふく食べてほしいという思いから、名付けられた。

 そんなたらふく弁当で働く私、柿川美央(かきかわみお)二十五歳。
 たらふく弁当で働き始めてからもう三年になる。 毎日たらふく弁当で働くのが楽しくて、この仕事が大好きだ。

「美央ちゃん、唐揚げ二つね! あ、ご飯大盛りで」

「はい。 唐揚げ二つお願いします!大盛りです!」

 カウンターから調理場に向けて注文を取ると、調理場から「了解!唐揚げ二つね!」と元気な声が聞こえてくる。

「お待たせしました!のり弁です」

「ありがとうございます」

「お会計390円です」

 たらふく弁当の人気ナンバーワンはのり弁だ。次に唐揚げ弁当だ。
 ご飯は大盛りが無料なので、仕事終わりのサラリーマンたちはよく大盛りにしている。

「唐揚げ弁当お待たせしました!」

「いつもありがとうね、美央ちゃん」

「こちらこそ、いつもありがとうございます」

 ここはサラリーマンだけじゃなく、主婦にも大人気だ。

 そしてそんなお弁当屋に、よく来る常連さんがいる。
< 2 / 39 >

この作品をシェア

pagetop