【完結】私は全力であなたに夢中です!


「柿川さんの好きなネタはなんですか?」

「好きなネタは、そうですね……」

 基本なんでも好きだけど……。

「やっぱりサーモンとかが好きです」

「サーモンですか。 俺も好きです、サーモン」

 冬馬さんも好きなんだ、サーモン……!

「後はハマチとか、エビとかも好きです」
 
「ああ、ハマチいいですね」

 冬馬さんはお茶を湯呑みに注ぎながら「じゃあハマチも頼みましょうか」と、お湯を入れた湯呑みを渡してくれる。

「あ、ありがとうございます」

「熱いですからね、火傷しないように」

「はい」

 冬馬さん、本当に優しいな……。

「すいません、サーモンとハマチを二巻ずつお願いします」

「はい、サーモンとハマチね」

 すごく頼りになる冬馬さんに、私はますますハマってしまいそうだった。

「マグロ食べますか?」

「あ、じゃあ……お願いします」

 色々と聞いてくれるから、嬉しい。話しやすいし、優しい所にキュンとする。

「すいません、マグロも二巻ずつお願いします」

「マグロね。ちょっと待っててね」

 ここのお店の大将さんは握る姿がしなやかで、とてもキレイだった。

「はい、サーモンとハマチお待ちどうさま」
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