【完結】私は全力であなたに夢中です!


「どうですか?マグロは」

「もうたまりません。美味しいの極みです」

 間違いなくマグロは一位かもしれない。この美味しさを知らない人がいたら、今すぐにでも教えてあげたいくらいに美味しい。

「ははっ、美味しいの極みですか」

「な、何か変なこと言いましたか?私」
 
「いえ、美味しそうに食べるなって思って」

 は、恥ずかしい……。私ったら、恥ずかしい!

「なんか、すみません……」

「いえ、謝らないでください。 そんなに美味しそうに食べてくれるなら、連れてきた甲斐があります」

 優しい冬馬さんはそう言って笑顔を向けてくれる。

「……ありがとうございます、冬馬さん」

「いえ。 さ、どんどん食べてくださいね」

 お品書きを見ていきながら、結局食べたい物を頼んでしまって、引かれてしまったりしていないかと終盤不安になったけど……。

 でも冬馬さんはそんな私に優しく接してくれて、美味しい物を食べてる時がこんなにも幸せなんだ、なんて思ってしまった。

「今日はありがとうございました。 すっかりごちそうになってしまって、すみません」

「いいんです。喜んでもらえて良かったです」

 冬馬さん、本当にいい人だよ……。
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