【完結】私は全力であなたに夢中です!
そうなんだよね……。
「あの人、彼女いるのかな……」
ていうか、結婚してるのかな……? でも結婚指輪、してないしな……。
「あー……気になる」
「気になるなら、直接聞いてみれば?」
「いや、でも……!」
そ、そんなこと聞けないよ……!!
「いっそのこと、告白しちゃえば?」
「こ、こ、告白……!?」
そ、そんなこと出来ない!無理だよ!
「モタモタしてたら、誰かに取られちゃうかもよ?」
「……そ、それは」
それはイヤだ……!
「時には、当たって砕けろよ?美央」
「当たって、砕けろ……」
そっか……。時にはそういうのも、大切なのか。
「自分の気持ちはちゃんと言葉にしないと、分からないものよ」
「自分の、気持ち……」
そんな言葉を言われた私は、あの人とちゃんと話してみたいなと思えた。
それから数日後のこと。
「いらっしゃいませ〜」
閉店間際になって、その人は現れた。
「……あ、こ、こんばんは」
と声をかけると、その人は「閉店間際にすみません。 まだ、いけますか?」と声をかけてくれる。
「は、はい!大丈夫、ですよ」
はああ……。やっぱり緊張する。