【完結】私は全力であなたに夢中です!
「今日は唐揚げ弁当でお願いします。大盛りで」
「はい。……唐揚げ弁当、大盛りですね」
「はい」
唐揚げ弁当を注文した私は、お弁当が出来るまで、その人と二人きりになってしまった。
き、聞くなら……今、だよね?
「あ、あの……」
「はい?」
「今日は……お仕事終わるの、遅かったんですか?」
勇気をだしてその人に声をかけてみる。
「ええ、まあ」
「毎日遅くまで、大変ですね」
「ありがとうございます」
はあ……緊張する。
「……あの」
「はい」
「お、お仕事は、何をされてるんですか?」
こうやって一つ一つを話しかけるのって本当に大変だ。緊張するし……。
「ジムのインストラクターです」
じ、ジムのインストラクター……!
か、かっこよすぎる! 職業までかっこいいの……!?
「す、すごいですね」
「いえいえ、そんな」
ど、どうしよう……。会話がない。
この後、何を話せばいい……!?
「あ、そうだ。 もしよければ、これどうぞ」
「……え?」
その人が差し出してくれたのは、ジムの無料体験チケットだった。
「今うちのジムで、無料体験をやってまして。よければ来てください」