【完結】私は全力であなたに夢中です!
「す、鈴枝さん……緊張した」
「よーし、いい子いい子。頑張ったね、美央」
鈴枝さんは優しいから、こうやってなんやかんやと見守ってくれる。
「彼ね、ジムのインストラクター、なんだって」
「あら!最高じゃない。イケメンでジムのインストラクター? いいじゃない!」
鈴枝さんは喜んでくれている。
「なんか今無料体験やってるみたいで、チケットもらいました」
ポケットからチケットを出し、鈴枝さんに見せる。
「あら!もうこれは行くしかないわね!」
鈴枝さんはニヤニヤしながら、私の肩を叩く。
「所で、名前聞いたの?」
「……名前?」
「彼の名前よ!」
「………。わ、忘れた」
緊張しすぎて、名前どころじゃなかったよ!
聞きそびれた……!!
「なにやってんの!肝心な所でしょ!」
「……緊張して、それどころじゃなくて」
はあ……肝心な所を聞かないなんて、私はなにやってんの!
「もう、アンタって子は……。よし、明日休みでしょ?そのジム行ってきな!」
「えっ、明日!?」
「そう、明日よ! 行動は早いに越したことはないわ!」
あ、あ、明日なんて!考えただけで緊張するって……!!