【完結】私は全力であなたに夢中です!


 という訳で……。

「こ、こんにちは」

「こんにちは。初めてですか?」

「は、はいっ」

 鈴枝さんの助言に受け、早速私は彼の働くジムの無料体験にやってきた。

「あの、これ、もらったんですけど」

「無料体験ですね。少々お待ちください」

 受付のスタッフにボードと紙を渡され、必要事項を書くように言われる。

「インストラクターの指名はございますか?」

「し、指名?」

 え、何?指名出来るの!? 

「希望がなければ空いているスタッフとなりますが?」

「あ……」

 どうしよう。名前知っていれば指名出来るのに……!
 なんで私、あの時名前聞かなかったんだろう!?

「どうされますか?」
 
「い、いえ!だ、大丈夫です」

 あー……私ったら肝心な時に!

「それではスタッフの方が参りますので、こちらで少々お待ちください」

「は、はい」

 ボードを記入してカウンターへ持っていくと、待合室で待ってるように言われる。

 そして数分後にやってきたのはーーー。

「すみません、お待たせしました」

「い、いえ!」

 顔を上げると、そこにいたのはーーー。

「……えっ!?」
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