【短】入籍予定だった彼に直前に振られたけど、その直後に大物が釣れてしまった件について。
「……これから、どうするわけ?」
言葉が出ない中、私から発せられたのはそんな言葉だった。
「彼女と、生きて行くよ」
そう言ったいずみくんは、なんだかさっきより顔色がいい気がする。私といることが嫌だったのね……
「そう……分かったわ」
そう言えば、いずみくんは誰が見てもわかるくらいに笑顔を見せた。彼はお辞儀をして私から静かに去って行ってしまった。
問題は今いる場所だ。
ここは役場の外だが、あと数歩で入口というとこだ。つまり、人がたくさん見ている。
きっと、さっきまで行われていたことを見られていた。だから、皆コソコソと何か言っている……大体、私を可哀想な女だと話しているのだろう。