恋の花と君が散るまで〜ポケットの中で今日も。〜
もし僕が香織ちゃんに復縁したいなんていったら、彼女はなんて答えるだろう。きっと、「私みたいな子じゃないもっといい人に心穏なら出会える。」とか言いそうだな。香織ちゃんはいつでも僕に優しかった。僕よりも年下なのに。なのにその優しさに気づいてあげられなかった。

雨が降ってきた。

香織ちゃんとの初デートは、雨だったなぁと思い出す。カフェだったからあんまり関係なかったけど。大きな雨粒が、ゆっくりガラスをずーっと伝っていく。その粒は急に2粒になり、別の方向へ伝っていく。
他にも人はいるのに、ゆっくりと歩く僕の足音だけが響くように感じた。
さっきのカップルはどうしているだろう。相合傘でもしているだろう。きっと。
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