フラれた後輩くんに、結婚してから再会しました
さっきまでそんなことお首にも出さなかったのに、ここで急に昨夜の事を言われてしまい、さらに慌ててしまう。
「そんな、迷惑なんてないです。すごく、すごくうれしかったし、わ、わたしこそ、せっかく心配してくれたのにその、突き放すようにして……」
そこまで言って、彼を見る。ホッとしたような、寂しそうな複雑な表情だった。
「あの……。お客様、どうなさいますか?」
店員さんが遠慮がちに尋ねてくる。上月くんはさっと表情を戻すと、「会計を」と微笑んだ。
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「ありがとうございます……。本当に、すみません。いろいろと」
車に戻ると、上月くんに向かって深く頭を下げた。
「気にしないでください。……逆に気を遣わせちゃったかもしれないですね」
「いえ。素敵な服だし、自分では絶対選ばないデザインだから、とても、なんだか……そう、新鮮です」
ウエストとヒップラインはタイトに絞られ、裾に向かって柔らかく広がったマーメイドラインをみて、わたしは微笑んだ。
「胸元はすこし、俺には目の毒ですけどね」
「……っっ!?」
彼はふふ、と笑って、ハンドルを握った。