フラれた後輩くんに、結婚してから再会しました
それでよかった。自分の身辺を整理して、そして、新しい自分になってから、彼に会いにいくつもりだったから。
あの土地を離れ、地元に帰ってきたのも、何もかもをリセットするためだ。
けれども、わたしはまた間違っていたことに気づいたのだ。
結局、自分をリセットなんてできないことに。
わたしは、いままでのわたしの日々の積み重ねでできているのだから。
いままでの間違いも、怒りも喜びも、ぜんぶ、わたしだ。
きらきらと、水平線の向こうに伸びる太陽の光を見て、わたしはやっと心を決めた。
(上月くんに、会いに行こう。もう一度、告白しよう)
そうして、また歩き出した。