フラれた後輩くんに、結婚してから再会しました
その後、三日間ほどいろいろな求人情報をあたったが、
成果はほとんどなかった。時期が良くなかったのか、たいてい先に決まってしまっていたのだ。
買い物途中にも自然と店先の求人広告に目がいくようになる。なかなか見つからなくて気落ちしていると、夕飯時に裕一が不思議そうに声をかけてきた。
「なんかため息ばっかりだね。どうかした?」
珍しく気遣いのある言葉に、わたしは思わず本音を漏らした。苦笑いしながら、困っていると伝える。
「うん……。今新しい仕事探してるんだけど、なかなか見つからなくて」
「え。また仕事始めるの?」
裕一は眉毛をピクリとさせた。
「そうだよ。やっぱり、何かしたいなって思ってるし」
「ふーん。また、家の中バタバタするのか」
「バタバタって?」
彼は味噌汁を啜りながら答えた。
「だって君が外に出ると時間に追われてその分、家の仕事が疎かになるから、ばたばたするだろ?風呂だって沸かし忘れたりすること多かったしさ」
「で、でも、そういう時は一緒にやってくれたりしたら……」
「家のことは君の仕事でしょ。それで余裕があるなら、外でやればいいけど」
夕飯が遅くなったり、洗濯物が遅くなったりするのはちょっとね、と言いながら夫はおかずをつまむ。
「……ふ、二人で住んでるんだから、そんなふうに言わないでよ」