旅先恋愛~一夜の秘め事~
翌朝は快晴で、頬を撫でる風がとても気持ち良い。
彼の運転する車で出かけた先は都内にある、有名デパートだった。
暁さんが入店した途端、周囲の視線が集まる。
紺色のシャツにグレーのパンツといった特に目立つ装いをしているわけではない。
彼は周囲の目を気にする様子もなく私と指を絡めながら、宝飾店売り場へと足を進める。
滅多に足を踏み入れない、高級ブランドショップの雰囲気に気圧されている私とは対照的に、彼は店員に結婚指輪を見せてほしいと伝えた。
すぐに個室に案内され、幾つもの煌びやかな指輪を並べられる。
「唯花、どれがいい?」
暁さんが尋ねてくれるが、大粒のダイヤや宝石類に目移りしてしまう。
なにより値段が気になり口にできない。
迷う私の心中を察したのか、彼が自分の好みの指輪を幾つか見繕ってくれた。
センスの良い彼が選んだものはすべてとても素晴らしかった。
「これとこれをはめてみて」
言われるがままに左手の薬指にはめる。
「唯花は指が細いから、こっちだと重そうに見えるな」
「そうですね、華奢なもののほうが映えると思います」
店員と相談しつつ、さらに別のデザインが用意され、再びはめる。
その動作を何度か繰り返し、最終的にダイヤが半周にぐるりとはめ込まれた指輪に決まった。
入籍日の刻印を頼み、メッセージを選ぶ。
彼の運転する車で出かけた先は都内にある、有名デパートだった。
暁さんが入店した途端、周囲の視線が集まる。
紺色のシャツにグレーのパンツといった特に目立つ装いをしているわけではない。
彼は周囲の目を気にする様子もなく私と指を絡めながら、宝飾店売り場へと足を進める。
滅多に足を踏み入れない、高級ブランドショップの雰囲気に気圧されている私とは対照的に、彼は店員に結婚指輪を見せてほしいと伝えた。
すぐに個室に案内され、幾つもの煌びやかな指輪を並べられる。
「唯花、どれがいい?」
暁さんが尋ねてくれるが、大粒のダイヤや宝石類に目移りしてしまう。
なにより値段が気になり口にできない。
迷う私の心中を察したのか、彼が自分の好みの指輪を幾つか見繕ってくれた。
センスの良い彼が選んだものはすべてとても素晴らしかった。
「これとこれをはめてみて」
言われるがままに左手の薬指にはめる。
「唯花は指が細いから、こっちだと重そうに見えるな」
「そうですね、華奢なもののほうが映えると思います」
店員と相談しつつ、さらに別のデザインが用意され、再びはめる。
その動作を何度か繰り返し、最終的にダイヤが半周にぐるりとはめ込まれた指輪に決まった。
入籍日の刻印を頼み、メッセージを選ぶ。