旅先恋愛~一夜の秘め事~
明るいネオンに色づく街並みを車窓から眺める。
早く会いたいが、なぜか緊張してしまう。
はやる気持ちを抑えるように紙袋に視線を移し、深呼吸を繰り返した。
本社エントランス前に横づけする度胸はさすがになく、会社の近くで停車してもらった。
腕時計を見ると午後七時ちょうどを指していた。
本社のエントランスに入ったら加住室長に電話をしようと考えていたが、入口近くで出迎えられてしまった。
どうやら時間を逆算して待っていてくれたらしい。
「お忙しいときにすみません」
「いえ、無事に到着されて安心しました。今後、タクシーは遠慮なくエントランス前に横付けしてください」
発言に驚くと、加住室長は真剣な口調で告げる。
「綿貫さんになにかありましたら一大事です。副社長が取り乱しますよ」
「暁さんは責任感の強い人だと思いますけど……大袈裟ですよ」
「……もしかして、まだ副社長から聞いていませんか?」
渋面を浮かべた加住室長に首を傾げると、彼は大きなため息を吐いた。
「なにをですか?」
「いえ、後ほど副社長に確認してください」
きっぱり言い切る加住室長に疑問を抱きつつも、後に続く。
IDカードをかざし、社内に入る。
この時間帯には受付も無人で広いエントランスホールは閑散としている。
大きな紙袋を持った姿が人目につかないのは有難い。
早く会いたいが、なぜか緊張してしまう。
はやる気持ちを抑えるように紙袋に視線を移し、深呼吸を繰り返した。
本社エントランス前に横づけする度胸はさすがになく、会社の近くで停車してもらった。
腕時計を見ると午後七時ちょうどを指していた。
本社のエントランスに入ったら加住室長に電話をしようと考えていたが、入口近くで出迎えられてしまった。
どうやら時間を逆算して待っていてくれたらしい。
「お忙しいときにすみません」
「いえ、無事に到着されて安心しました。今後、タクシーは遠慮なくエントランス前に横付けしてください」
発言に驚くと、加住室長は真剣な口調で告げる。
「綿貫さんになにかありましたら一大事です。副社長が取り乱しますよ」
「暁さんは責任感の強い人だと思いますけど……大袈裟ですよ」
「……もしかして、まだ副社長から聞いていませんか?」
渋面を浮かべた加住室長に首を傾げると、彼は大きなため息を吐いた。
「なにをですか?」
「いえ、後ほど副社長に確認してください」
きっぱり言い切る加住室長に疑問を抱きつつも、後に続く。
IDカードをかざし、社内に入る。
この時間帯には受付も無人で広いエントランスホールは閑散としている。
大きな紙袋を持った姿が人目につかないのは有難い。