旅先恋愛~一夜の秘め事~
「こちらこそ申し訳ございません……壊れていないといいのですが」
そう言って、彼は落としたスマートフォンを屈んで拾ってくれた。
私より頭ひとつ分はゆうに高い身長はきっと百八十センチを軽く超えているだろう。
手足の長さに再び驚く。
「あ、いえ、ありがとうございます」
美麗な外見に見惚れていた私は、慌ててスマートフォンを受け取った。
液晶画面も割れておらず、安堵する。
「本当にすみませんでした。失礼します」
自分の失態が恥ずかしい。
早口でもう一度謝罪し、頭を下げた。
顔を上げるのがなんだか気まずく、そのまま踵を返す。
「――待ってください。もしかして道に迷われているのでは?」
背後から聞こえた声に思わず振り返ると、男性が感情の窺えない目でじっと見つめていた。
「……ええ、実は」
「どちらに行かれるのですか?」
「あの……このお店なんです」
軽く目を細めて、彼は私が差し出したスマートフォンの画面を覗き込む。
「ああ、ここですか。すぐそこですよ」
「本当ですか?」
目的地にたどり着けるかもしれないという期待から弾んだ声が出た。
そう言って、彼は落としたスマートフォンを屈んで拾ってくれた。
私より頭ひとつ分はゆうに高い身長はきっと百八十センチを軽く超えているだろう。
手足の長さに再び驚く。
「あ、いえ、ありがとうございます」
美麗な外見に見惚れていた私は、慌ててスマートフォンを受け取った。
液晶画面も割れておらず、安堵する。
「本当にすみませんでした。失礼します」
自分の失態が恥ずかしい。
早口でもう一度謝罪し、頭を下げた。
顔を上げるのがなんだか気まずく、そのまま踵を返す。
「――待ってください。もしかして道に迷われているのでは?」
背後から聞こえた声に思わず振り返ると、男性が感情の窺えない目でじっと見つめていた。
「……ええ、実は」
「どちらに行かれるのですか?」
「あの……このお店なんです」
軽く目を細めて、彼は私が差し出したスマートフォンの画面を覗き込む。
「ああ、ここですか。すぐそこですよ」
「本当ですか?」
目的地にたどり着けるかもしれないという期待から弾んだ声が出た。