旅先恋愛~一夜の秘め事~
甘い告白に呼吸が止まった気がした。

こみ上げる熱い想いに涙が止まらない。

返事をしたいのに、気持ちを伝えたいのに、胸が詰まって声が出ない。


「俺に、一生唯花と子どもを守らせてくれ」


優しくも力強い決意の滲む声が、心の奥深くに入り込む。

嬉しすぎて、幸せすぎて、現実とは思えず怖くなる。

私に向かって真っ直ぐに片手を差し出す彼の指先が、微かに震えていた。


「……唯花、返事をしてほしい」


焦れたように口にする声に、想いがパンパンに弾ける。

心の中を埋め尽くす愛しさを、どうしたら伝えられるだろう。


「……あなたを、愛してる。ずっと、一緒にいてください」


嗚咽交じりの声で伝え、手を握り返すだけで精一杯。

返事を聞いた瞬間、彼が花が綻ぶように微笑み、ギュッと私を抱きよせた。

今ではすっかり慣れ親しんだ香りと体温に胸が震える。


「愛してる」


吐息の触れ合う距離でもう一度つぶやき、彼が首をゆっくりと傾ける。

愛しさを乗せた口づけは幸せな涙の味がした。
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