旅先恋愛~一夜の秘め事~
「愛する人への大切なプロポーズの上書をしたいんだ。あのときは急すぎて、婚約指輪の用意もできなかったからな」
「そんなの……必要ないのに……」
あの頃は彼の捜し人が自分だと知らなくて、求婚も責任感からだと思っていた。
けれど今はそんな風に考えていない。
「ずっと贈りたかったんだ。今日出来上がったのをもらってきた。……受け取ってくれないか?」
愛してやまない人からの再びのプロポーズに胸が震えて、声が出ない。
時間も、呼吸さえも止まった気がした。
頬を伝い落ちた涙が、手の甲にぽたりと落ちる。
私の答えなんてひとつしかない。
「ありがとう……私もあなたを愛している。ずっと一緒にいさせてください」
やっとの思いで返事を口にした私の左手の薬指に、彼が婚約指輪をはめてくれた。
結婚指輪の上に重なる、ひやりとした金属の感触に胸が詰まった。
暁さんが指輪にそっと唇を寄せる。
「俺と唯花をつないでくれた、花のマークに近いデザインにしたかったんだ」
温かな暁さんの想いに涙が止まらなくなる。
「そんなの……必要ないのに……」
あの頃は彼の捜し人が自分だと知らなくて、求婚も責任感からだと思っていた。
けれど今はそんな風に考えていない。
「ずっと贈りたかったんだ。今日出来上がったのをもらってきた。……受け取ってくれないか?」
愛してやまない人からの再びのプロポーズに胸が震えて、声が出ない。
時間も、呼吸さえも止まった気がした。
頬を伝い落ちた涙が、手の甲にぽたりと落ちる。
私の答えなんてひとつしかない。
「ありがとう……私もあなたを愛している。ずっと一緒にいさせてください」
やっとの思いで返事を口にした私の左手の薬指に、彼が婚約指輪をはめてくれた。
結婚指輪の上に重なる、ひやりとした金属の感触に胸が詰まった。
暁さんが指輪にそっと唇を寄せる。
「俺と唯花をつないでくれた、花のマークに近いデザインにしたかったんだ」
温かな暁さんの想いに涙が止まらなくなる。