旅先恋愛～一夜の秘め事～

私はホテルや旅館などの宿泊施設が大好きで、全国を泊まり歩くのは最早趣味となっている。

非日常感もあるが、なにより自宅とは違うリラックス感を得られるのが大きい。

さらにエステなど素晴らしいサービスも多い。

とはいえ、頻繁に宿泊できるほど経済力に余裕はない。

将来のため、貯金はしているが潤沢にあるわけではない。

自分へのご褒美に一年に一度か二度過ごすくらいだ。


『招待だから宿泊費は不要だし……ね、お願いよ』


魅力的な誘惑に心が揺れる。

ホテルのセミスイートルームなんて滅多に宿泊できない。


『本当に私でいいの？』


『もちろん』


麗は本当に私の誘い方がうまい。


『……じゃあ、おじ様が正式に許可されたら。それと宿泊費代わりに食事はご馳走させてね』