訳あり子育て中は 御曹司からの猛攻にご注意下さい
「ごめん、お待たせ」
電話と会計を済ませた荒屋さんが麗華を呼ぶ。
「専務、失礼します。璃子ちゃんもごめんね」
きっと、麗華が言った言葉に対して謝ってくれたんだろうと思う。
私自身そう気にしているわけではないけれど、淳之介さんの前で馬鹿にされて多少落ち込んだ。
「荒谷さん、璃子みたいな子が好みですか?」
またピントがずれたことを麗華が言っている。
「ったく、行くぞ」
「はーい。じゃあ淳之介さん、ごきげんよう」
上機嫌で店を出て行こうとする麗華。
あーよかった、これで麗華がいなくなった。
そう思ってほっとした時、
「ねえ、田頭さん」
ちょうど店を出て行こうとする麗華を、淳之介さんが呼び止めた。
「やだ淳之介さん、麗華って呼んでください」
呼び止められたことがよほど嬉しいのか、麗華がニコニコしながら戻ってきた。
それに対して淳之介さんはとっても冷たい目をしている。
「うちで働くなら上司と部下の節度は守ってもらわないと困る。俺は部下に名前で呼ばせる趣味はないし、仕事は遊びじゃないんだ。改めてくれ」
「そんなあぁ」
出た、またいつもの上目遣い。
「君には上司への口の利き方から教えないとダメなのか?」
「・・・」
さすがに罰が悪そうに黙った麗華は、荒屋さんに手を引かれ『プティポワ』を出て行った。
電話と会計を済ませた荒屋さんが麗華を呼ぶ。
「専務、失礼します。璃子ちゃんもごめんね」
きっと、麗華が言った言葉に対して謝ってくれたんだろうと思う。
私自身そう気にしているわけではないけれど、淳之介さんの前で馬鹿にされて多少落ち込んだ。
「荒谷さん、璃子みたいな子が好みですか?」
またピントがずれたことを麗華が言っている。
「ったく、行くぞ」
「はーい。じゃあ淳之介さん、ごきげんよう」
上機嫌で店を出て行こうとする麗華。
あーよかった、これで麗華がいなくなった。
そう思ってほっとした時、
「ねえ、田頭さん」
ちょうど店を出て行こうとする麗華を、淳之介さんが呼び止めた。
「やだ淳之介さん、麗華って呼んでください」
呼び止められたことがよほど嬉しいのか、麗華がニコニコしながら戻ってきた。
それに対して淳之介さんはとっても冷たい目をしている。
「うちで働くなら上司と部下の節度は守ってもらわないと困る。俺は部下に名前で呼ばせる趣味はないし、仕事は遊びじゃないんだ。改めてくれ」
「そんなあぁ」
出た、またいつもの上目遣い。
「君には上司への口の利き方から教えないとダメなのか?」
「・・・」
さすがに罰が悪そうに黙った麗華は、荒屋さんに手を引かれ『プティポワ』を出て行った。