冷酷王の元へ妹の代わりにやってきたけど、「一思いに殺してください」と告げたら幸せになった
「沢山の人が居る中で、食事をするの楽しい」
「んー」
オルテンスは何を食べようかと悩んでいる。
メニューを見ても、正直言ってどれも食べたいってそう思ってしまっている様子である。
デュドナは王様だけれどもお忍びで時折市政に降りてきているのか慣れた様子でさっさと決めていた。
何を食べようかと悩むことしばらく。
オルテンスはようやく食事を決めた。
簡単なお肉の料理である。庶民が食べる炒め料理。あとはパンとスープ。
オルテンスはあんまりきょろきょろしすぎないようにしながら周りを見ている。
料理を運ぶお店の人たちが、せっせと動いている。オルテンスが驚くほどに沢山の料理を運ぶ人たちを見て目を瞬かせている。
そうこうしているうちに料理が届く。
デュドナとカーズはかなりの量のご飯を食べている。オルテンスが頼んだものの倍ぐらいである。
オルテンスはやっぱり身体が大きいとこんな風に食べる量も違うんだなぁとデュドナたちをじっと見てしまう。
「何を見ているんだ?」
「デューさん、沢山食べてるなって」
「美味しいからな。お前も美味しいか?」
「うん」
ちなみにちゃんと毒見がされた後にデュドナとオルテンスは食べている。
美味しそうに食事をとるオルテンスは、とても嬉しそうに笑っている。平民が食べるものも美味しいなぁとオルテンスは思ってならない。
あとこの沢山の人たちと一緒に食事をとるという雰囲気が凄く好きだなと思っている。
祖国に居た頃は独りぼっちで食事をしていた。メスタトワ王国でデュドナたちと食事をするのも楽しい。そしてこうして色んな人の話を聞きながら食事をするのも楽しいと思っていた。
この大衆食堂では、沢山の人たちが楽しそうに会話を交わしている。
昼間からお酒を飲んでいる人達も居れば、恋のお話をしている女性陣が居たり――誰もが楽しそうにしている。笑みを溢しているその様子に、オルテンスは幸せそうでいいなと嬉しそうだ。
「デューさん。沢山の人が居る中で、食事をするの楽しい。皆楽しそうに話している」
「そうだな」
「デューさんも、同じように話しましょう」
「……何を話したいんだ?」
「んー、なんでもいいです!」
「……それが一番困らないか?」
「えっと、じゃあデューさんの食べているものって美味しいですか?」
「美味しいぞ。……お前の食べているものは?」
「美味しいです!!」
オルテンスは嬉しそうに笑っている。
「デザートも食べるか?」
「……うん」
オルテンスに思わずデュドナがそう言ったら、オルテンスは頷いた。そして今度はどんなデザートを食べようかと頭を悩ますオルテンス。そんなオルテンスをまわりはにこにことしながら見ている。
オルテンスの選んだものは、季節の果物をふんだんに使ったデザートだ。美味しくて、オルテンスははにかんでいる。
オルテンスがあまりにも嬉しそうに笑っているので、周りのお客さんたちもオルテンスのことをほほえましそうに見ている。オルテンスとデュドナの関係性は彼らにはよくわかっていないようだ。ただ仲がよさそうな兄妹のように見えているようである。
「そういえば聞いたか? 陛下が花嫁候補と仲良くなっているらしい」
「うそだぁ」
……ちなみに周りが噂話している話の中には、オルテンスとデュドナのことを話しているものたちも居た。
オルテンスはそのことを不思議な気持ちで聞いていた。
本人達が傍にいるとしたないからこその会話なのだと分かるので、わざわざ話かけることはしないが……、自分とデュドナが仲良くなっていると噂されていることがオルテンスは変な気持ちだった。
嬉しいとは思っている。でもオルテンスは自分に価値がないと思っているので、自分と仲が良いと思われているデュドナは何をどう思っているのだろうかと視線をそちらに向ける。デュドナに「なんだ?」と聞かれたけれど、オルテンスはそれに対して問いかけることはなかった。
そんな風に食事の時間は過ぎていった。
オルテンスは何を食べようかと悩んでいる。
メニューを見ても、正直言ってどれも食べたいってそう思ってしまっている様子である。
デュドナは王様だけれどもお忍びで時折市政に降りてきているのか慣れた様子でさっさと決めていた。
何を食べようかと悩むことしばらく。
オルテンスはようやく食事を決めた。
簡単なお肉の料理である。庶民が食べる炒め料理。あとはパンとスープ。
オルテンスはあんまりきょろきょろしすぎないようにしながら周りを見ている。
料理を運ぶお店の人たちが、せっせと動いている。オルテンスが驚くほどに沢山の料理を運ぶ人たちを見て目を瞬かせている。
そうこうしているうちに料理が届く。
デュドナとカーズはかなりの量のご飯を食べている。オルテンスが頼んだものの倍ぐらいである。
オルテンスはやっぱり身体が大きいとこんな風に食べる量も違うんだなぁとデュドナたちをじっと見てしまう。
「何を見ているんだ?」
「デューさん、沢山食べてるなって」
「美味しいからな。お前も美味しいか?」
「うん」
ちなみにちゃんと毒見がされた後にデュドナとオルテンスは食べている。
美味しそうに食事をとるオルテンスは、とても嬉しそうに笑っている。平民が食べるものも美味しいなぁとオルテンスは思ってならない。
あとこの沢山の人たちと一緒に食事をとるという雰囲気が凄く好きだなと思っている。
祖国に居た頃は独りぼっちで食事をしていた。メスタトワ王国でデュドナたちと食事をするのも楽しい。そしてこうして色んな人の話を聞きながら食事をするのも楽しいと思っていた。
この大衆食堂では、沢山の人たちが楽しそうに会話を交わしている。
昼間からお酒を飲んでいる人達も居れば、恋のお話をしている女性陣が居たり――誰もが楽しそうにしている。笑みを溢しているその様子に、オルテンスは幸せそうでいいなと嬉しそうだ。
「デューさん。沢山の人が居る中で、食事をするの楽しい。皆楽しそうに話している」
「そうだな」
「デューさんも、同じように話しましょう」
「……何を話したいんだ?」
「んー、なんでもいいです!」
「……それが一番困らないか?」
「えっと、じゃあデューさんの食べているものって美味しいですか?」
「美味しいぞ。……お前の食べているものは?」
「美味しいです!!」
オルテンスは嬉しそうに笑っている。
「デザートも食べるか?」
「……うん」
オルテンスに思わずデュドナがそう言ったら、オルテンスは頷いた。そして今度はどんなデザートを食べようかと頭を悩ますオルテンス。そんなオルテンスをまわりはにこにことしながら見ている。
オルテンスの選んだものは、季節の果物をふんだんに使ったデザートだ。美味しくて、オルテンスははにかんでいる。
オルテンスがあまりにも嬉しそうに笑っているので、周りのお客さんたちもオルテンスのことをほほえましそうに見ている。オルテンスとデュドナの関係性は彼らにはよくわかっていないようだ。ただ仲がよさそうな兄妹のように見えているようである。
「そういえば聞いたか? 陛下が花嫁候補と仲良くなっているらしい」
「うそだぁ」
……ちなみに周りが噂話している話の中には、オルテンスとデュドナのことを話しているものたちも居た。
オルテンスはそのことを不思議な気持ちで聞いていた。
本人達が傍にいるとしたないからこその会話なのだと分かるので、わざわざ話かけることはしないが……、自分とデュドナが仲良くなっていると噂されていることがオルテンスは変な気持ちだった。
嬉しいとは思っている。でもオルテンスは自分に価値がないと思っているので、自分と仲が良いと思われているデュドナは何をどう思っているのだろうかと視線をそちらに向ける。デュドナに「なんだ?」と聞かれたけれど、オルテンスはそれに対して問いかけることはなかった。
そんな風に食事の時間は過ぎていった。