冷酷王の元へ妹の代わりにやってきたけど、「一思いに殺してください」と告げたら幸せになった
「甘い物って美味しい」
洋服屋に行った後も、オルテンスは興味のあるお店を探してはデュドナたちに「入るか?」と聞かれて、その度に足を踏み入れた。
オルテンスにとっては沢山の興味があるものが多くて、何処に入ったらいいのかというのをずっときょろきょろしながら考えていた。
そうしていたらすっかりオルテンスは疲れてしまったらしい。
普段からそこまで動かないオルテンスは、ふらふらしている様子である。
そんなオルテンスを見て、ミオラが「おやつを食べて帰りましょうか」と声をかける。そして喫茶店に入って、ちょっとしたおやつを食べる。それを食べるとオルテンスは目を輝かせる。
「甘い物って美味しい」
その様子を見て、ミオラは和んだ様子を見せている。
「楽しかった?」
「うん」
ミオラはオルテンスの返答ににこにこしている。
オルテンスの初めての王都探索が、楽しいものになったことがミオラにとっては何よりも嬉しいようだ。逆にオルテンス自身はミオラがそんな風ににこにこ笑っていることにどうしてだろうと不思議そうだ。
おやつを食べ終われば、オルテンスたちはようやく王城へと帰宅する。
すっかり日も暮れている。
オルテンスは出かけたのも初めてで、当然こんなに長い時間お出かけをしたのも初めてであった。なのでオルテンスは何とも言えない達成感を感じていた。
疲れた様子で若干ふらふらしているけれども、オルテンスは嬉しそうににこにこ微笑んでいる。
そんなオルテンスはなんとか王城へと戻る。
だけれども王城へと足を踏み入れた瞬間、一気に力が抜けてしまったのかオルテンスは倒れそうになってしまう。
「あ」
「おい、大丈夫か?」
隣を歩いていたデュドナがオルテンスの身体をさっと支える。
「あ、デューさん、ごめんなさい」
「……もう帰ってきたんだから呼び方を戻してもいいぞ」
「うん、陛下」
オルテンスはなんとか立ち上がろうとするけれども、やっぱり初めてのお出かけではしゃいでしまったのか中々立ち上がれない。
その様子を見て、デュドナは息を吐く。
「抱えるぞ」
「え?」
オルテンスが驚いた声をあげたその瞬間、オルテンスの視界ががらりと変わる。気づけばデュドナがオルテンスのことを抱きかかえていた。
オルテンスは驚いたように目をぱちぱちとさせている。
「陛下、悪いです。歩きます!」
「無理だろ。大人しく抱えられていろ。それにしてもお前は軽いな。もっと食え」
「……結構食べてるよ?」
「まだ足りない」
そんな会話を交わしながら、デュドナはオルテンスを抱えたまま歩いていく。
途中で王城に仕えるものたちが、驚いたように視線を向けている。デュドナがお忍びでオルテンスと共に出かけていることは分かっていたが、オルテンスが抱きかかえられている様子に驚いているようだ。
そしてデュドナはそのままオルテンスを部屋へと連れていき、ベッドへと降ろした。
「オルテンス、疲れたならゆっくり寝ていろ」
「……うん」
オルテンスはそう答えながらも、ふかふかのベッドに身体を預けているからか、すっかり瞳を閉じかけている。
その様子を見ながら、デュドナは小さく笑っていた。
そんな笑みを見ながらオルテンスは陛下が笑っているの好きだなぁなどと思いながらそのまま夢の世界へと旅立っていくのであった。
――そして目を覚ました時には、翌日の昼間になっていてオルテンスは驚いた様子を浮かべていたのだった。
そうしてオルテンスの初めての王都探索は終わった。
オルテンスにとってその日は忘れられない日になった。
オルテンスにとっては沢山の興味があるものが多くて、何処に入ったらいいのかというのをずっときょろきょろしながら考えていた。
そうしていたらすっかりオルテンスは疲れてしまったらしい。
普段からそこまで動かないオルテンスは、ふらふらしている様子である。
そんなオルテンスを見て、ミオラが「おやつを食べて帰りましょうか」と声をかける。そして喫茶店に入って、ちょっとしたおやつを食べる。それを食べるとオルテンスは目を輝かせる。
「甘い物って美味しい」
その様子を見て、ミオラは和んだ様子を見せている。
「楽しかった?」
「うん」
ミオラはオルテンスの返答ににこにこしている。
オルテンスの初めての王都探索が、楽しいものになったことがミオラにとっては何よりも嬉しいようだ。逆にオルテンス自身はミオラがそんな風ににこにこ笑っていることにどうしてだろうと不思議そうだ。
おやつを食べ終われば、オルテンスたちはようやく王城へと帰宅する。
すっかり日も暮れている。
オルテンスは出かけたのも初めてで、当然こんなに長い時間お出かけをしたのも初めてであった。なのでオルテンスは何とも言えない達成感を感じていた。
疲れた様子で若干ふらふらしているけれども、オルテンスは嬉しそうににこにこ微笑んでいる。
そんなオルテンスはなんとか王城へと戻る。
だけれども王城へと足を踏み入れた瞬間、一気に力が抜けてしまったのかオルテンスは倒れそうになってしまう。
「あ」
「おい、大丈夫か?」
隣を歩いていたデュドナがオルテンスの身体をさっと支える。
「あ、デューさん、ごめんなさい」
「……もう帰ってきたんだから呼び方を戻してもいいぞ」
「うん、陛下」
オルテンスはなんとか立ち上がろうとするけれども、やっぱり初めてのお出かけではしゃいでしまったのか中々立ち上がれない。
その様子を見て、デュドナは息を吐く。
「抱えるぞ」
「え?」
オルテンスが驚いた声をあげたその瞬間、オルテンスの視界ががらりと変わる。気づけばデュドナがオルテンスのことを抱きかかえていた。
オルテンスは驚いたように目をぱちぱちとさせている。
「陛下、悪いです。歩きます!」
「無理だろ。大人しく抱えられていろ。それにしてもお前は軽いな。もっと食え」
「……結構食べてるよ?」
「まだ足りない」
そんな会話を交わしながら、デュドナはオルテンスを抱えたまま歩いていく。
途中で王城に仕えるものたちが、驚いたように視線を向けている。デュドナがお忍びでオルテンスと共に出かけていることは分かっていたが、オルテンスが抱きかかえられている様子に驚いているようだ。
そしてデュドナはそのままオルテンスを部屋へと連れていき、ベッドへと降ろした。
「オルテンス、疲れたならゆっくり寝ていろ」
「……うん」
オルテンスはそう答えながらも、ふかふかのベッドに身体を預けているからか、すっかり瞳を閉じかけている。
その様子を見ながら、デュドナは小さく笑っていた。
そんな笑みを見ながらオルテンスは陛下が笑っているの好きだなぁなどと思いながらそのまま夢の世界へと旅立っていくのであった。
――そして目を覚ました時には、翌日の昼間になっていてオルテンスは驚いた様子を浮かべていたのだった。
そうしてオルテンスの初めての王都探索は終わった。
オルテンスにとってその日は忘れられない日になった。