冷酷王の元へ妹の代わりにやってきたけど、「一思いに殺してください」と告げたら幸せになった
「陛下とはお話出来る距離がいいな」
「んー」
オルテンスは思考している。
自分がどういう立場でこの国に居たいのか。
そんなことなど、考えたことはなかった。それだけの余裕がなかったオルテンスは、こうして余裕のある暮らしをするとなると、頭が働いていない。
「……私がやりたいこと。私は、学びたい。あとは、メスタトワ王国の人たちのためになりたい」
オルテンスが思うことはそういうことだった。
学ぶことをしたい、そして役に立ちたい。それしか考えていない。
でもそれだけならば、正直王城に居なくても出来ると言えるだろう。この国のために動くだけならばどうにでも動く事が出来る。ただの一国民として暮らすのならば、この城に居る人たちと関わらずにただ平穏に生きていくことだって出来る。
でも……我儘なことかもしれないけれども、この城で自分に優しくしてくれている人達と関わっていたいとオルテンスは思っている。
「……陛下とはお話出来る距離がいいな」
オルテンスはデュドナと話すことを楽しいと思っていた。自分に此処にいていいと言ってくれた人。それでいて一緒に居て心地よい人。
オルテンスは自分がそんな風に我儘を言っていい立場とは思っていない。
それでもそういう我儘をいってしまいたくなっている。
それも全て……このメスタトワ王国の人たちが、オルテンスのことを甘やかして、優しくしてくれるから。そのぬるま湯にずっとオルテンスは浸かり続けていて、だからそういう風に我儘を考えるまでになっている。
いざ、デュドナと話せる距離が良いなと思っている。でもそのためにはどんな風なあり方でこの国にいたらいいのかというのがオルテンスには分からない。
オルテンスは当たり前のように王様であるデュドナと関わっているが、それはあくまでオルテンスが疎まれていようとも王族だからである。そして花嫁候補としてその場にいるからだ。そうでなければオルテンスが他国の王族と関われるはずもない。
陛下と関わりながら過ごせるこの国での滞在方法ってどういうものだろうか? とオルテンスは思考している。でも一人で考えていても正直分からないものである。
なので、やってきたミオラに聞いてみることにする。
「ねぇ、ミオラ。私……、陛下とお話出来る距離がいいなって思うのだけど」
「可愛い! オルテンス様、王妃、目指しましょ!」
「いや、えっと……それは陛下の気持ちがあるでしょ?」
オルテンスの言葉を聞いたミオラは、どうしてもオルテンスにデュドナの妻になってほしいと思っているのか食い気味である。そんなミオラにオルテンスは何とも言えない表情を浮かべている。
でもその言葉を聞いて、ミオラは楽しそうだ。
「オルテンス様、その言い方だと、オルテンス様自身は陛下のお嫁さんになるのは問題ない感じですか?」
「……そういうのよくわからないけれど、それでも私は陛下と一緒にいるの楽しいなって思うから。だからそれはいいかなって。でも私、夫婦とか分からないけど」
「ふふ。夫婦になるのが嫌じゃないってそれだけでいいんですよ。オルテンス様が陛下と一緒にいても楽しいって思っているならいいと思います。なので、オルテンス様、陛下を押し倒しましょう!」
「ううん、それはちょっと……陛下の嫌がることはしたくないし。でも……そうだね、陛下に相談してみるのはいいかもしれない。陛下が望まない形でこの国に居たいっては思わないから」
オルテンスがそう答えれば、ミオラは嬉しそうに笑った。
ミオラの頭の中には、オルテンスを王妃にしようというそういう気持ちでいっぱいのようである。
オルテンスは思考している。
自分がどういう立場でこの国に居たいのか。
そんなことなど、考えたことはなかった。それだけの余裕がなかったオルテンスは、こうして余裕のある暮らしをするとなると、頭が働いていない。
「……私がやりたいこと。私は、学びたい。あとは、メスタトワ王国の人たちのためになりたい」
オルテンスが思うことはそういうことだった。
学ぶことをしたい、そして役に立ちたい。それしか考えていない。
でもそれだけならば、正直王城に居なくても出来ると言えるだろう。この国のために動くだけならばどうにでも動く事が出来る。ただの一国民として暮らすのならば、この城に居る人たちと関わらずにただ平穏に生きていくことだって出来る。
でも……我儘なことかもしれないけれども、この城で自分に優しくしてくれている人達と関わっていたいとオルテンスは思っている。
「……陛下とはお話出来る距離がいいな」
オルテンスはデュドナと話すことを楽しいと思っていた。自分に此処にいていいと言ってくれた人。それでいて一緒に居て心地よい人。
オルテンスは自分がそんな風に我儘を言っていい立場とは思っていない。
それでもそういう我儘をいってしまいたくなっている。
それも全て……このメスタトワ王国の人たちが、オルテンスのことを甘やかして、優しくしてくれるから。そのぬるま湯にずっとオルテンスは浸かり続けていて、だからそういう風に我儘を考えるまでになっている。
いざ、デュドナと話せる距離が良いなと思っている。でもそのためにはどんな風なあり方でこの国にいたらいいのかというのがオルテンスには分からない。
オルテンスは当たり前のように王様であるデュドナと関わっているが、それはあくまでオルテンスが疎まれていようとも王族だからである。そして花嫁候補としてその場にいるからだ。そうでなければオルテンスが他国の王族と関われるはずもない。
陛下と関わりながら過ごせるこの国での滞在方法ってどういうものだろうか? とオルテンスは思考している。でも一人で考えていても正直分からないものである。
なので、やってきたミオラに聞いてみることにする。
「ねぇ、ミオラ。私……、陛下とお話出来る距離がいいなって思うのだけど」
「可愛い! オルテンス様、王妃、目指しましょ!」
「いや、えっと……それは陛下の気持ちがあるでしょ?」
オルテンスの言葉を聞いたミオラは、どうしてもオルテンスにデュドナの妻になってほしいと思っているのか食い気味である。そんなミオラにオルテンスは何とも言えない表情を浮かべている。
でもその言葉を聞いて、ミオラは楽しそうだ。
「オルテンス様、その言い方だと、オルテンス様自身は陛下のお嫁さんになるのは問題ない感じですか?」
「……そういうのよくわからないけれど、それでも私は陛下と一緒にいるの楽しいなって思うから。だからそれはいいかなって。でも私、夫婦とか分からないけど」
「ふふ。夫婦になるのが嫌じゃないってそれだけでいいんですよ。オルテンス様が陛下と一緒にいても楽しいって思っているならいいと思います。なので、オルテンス様、陛下を押し倒しましょう!」
「ううん、それはちょっと……陛下の嫌がることはしたくないし。でも……そうだね、陛下に相談してみるのはいいかもしれない。陛下が望まない形でこの国に居たいっては思わないから」
オルテンスがそう答えれば、ミオラは嬉しそうに笑った。
ミオラの頭の中には、オルテンスを王妃にしようというそういう気持ちでいっぱいのようである。