冷酷王の元へ妹の代わりにやってきたけど、「一思いに殺してください」と告げたら幸せになった
「陛下は有言実行だなぁ」
さてオルテンスたちの結婚式が近づいている中で、サーフェーズ王国の妹姫はオルテンスの結婚式を祝うためという名目の元、メスタトワ王国に侵入しようとしたらしい。
可憐な見た目の妹姫であるが、デュドナからサーフェーズ王国の者が結婚式の祝杯の。ために訪れることはないため追い返せと通達がされているので彼らが騙されるわけはない。
オルテンスのことは、メスタトワ王国で広められている。愛らしい姫だと。そして麗国王が大変愛しているのだと。
そういう噂が出回っているので、メスタトワ王国の騎士たちもそのことを知っている。なので、わざわざ冷酷王の怒りを買ってまでそのサーフェーズ王国の姫を通すわけはなかった。
デュドナは報告を聞いただけだが、大変煩いものだったらしい。
自分がオルテンスの妹だと、そしてオルテンスに会わせるようにと喚いていたらしい。
ちなみにあまりにも煩くしつこいので、牢に一先ずぶちこんであるそうだ。
――サーフェーズ王国の姫である私に何をするの。
そんな風に、しつこいそうだ。そして牢で働く者を買収や色仕掛けで外に出ようとして嫌がられているらしい。
あまりにも相手にされないと、オルテンスのことを罵倒し始め、オルテンスを王妃にしようとするデュドナのことまで悪く言っているらしい。
当然、メスタトワ王国の者達は自らの国の王と王妃になるもののことをそんな風に言われて良い気持ちになるはずがない。寧ろこれだけ性格が悪いなんて……と噂になっているようだ。
デュドナは妹姫がメスタトワ王国に勝手に侵入したとして、サーフェーズ王国に宣戦布告をした。サーフェーズ王国の王はそれはもう狼狽していたらしい。
デュドナがその国自体を攻めることを決めたのは、オルテンスに対する態度もあるが、このままこの一族が王位を持ったままだとこれから先サーフェーズ王国が大変だろうと思ったからというのもある。
オルテンスはずっと王城に閉じ込められていた少女なので、王城に務める者達以外には特に手を出すつもりもなかった。
そもそも民たちは大国であるメスタトワ王国を相手に戦うのに怯えていた。
オルテンスがサーフェーズ王国で虐げられていたこと、そして妹姫がメスタトワ王国に侵入し暴言をわめいていたことが原因だと知ると、サーフェーズ王国の騎士たちの指揮も下がるものである。
そういうわけでそういう連中をメスタトワ王国の騎士たちは早急に味方に引き入れた。元々国民に手を出すつもりはなく、サーフェーズ王国の王家だけが目的だと大々的にメスタトワ王国は告げていた。
そして実際にメスタトワ王国の騎士たちは、国民たちに手を出すことはなかった。そのため、サーフェーズ王国の民たちは理由が理由であるし、メスタトワ王国の騎士たちをスルーしていた。メスタトワ王国の王が冷酷王と呼ばれていても、メスタトワ王国の王がしっかり王として国をおさめることを知っていたためとも言えるだろう。
そういうわけで侵略は簡単に行われた。
サーフェーズ王国の王家は処刑。
そしてその後釜に、サーフェーズ王国の王家の遠縁……その国の中でもまだまともな分類の貴族を祭り上げることにしたようだ。その貴族は国を支配する事には興味はなかった。微かに流れている王家の血もどうでもよく、王位などどうでもよかった。
しかしサーフェーズ王国の王家が馬鹿をやらかしたおかげで、メスタトワ王国から派遣される文官の監視の元サーフェーズ王国の王家になることになった。
その貴族は「メスタトワ王国の貴族に統治させるとかでいいんじゃないですか?」などと言っていたが、結局押し切られてその座につくことになった。
そういう侵略劇を、メスタトワ王国は驚くほどの速さでやってのけた。
オルテンスとデュドナの結婚式の時にはすっかりもうその戦いは終わっていたのである。
オルテンスは戦いのことは分からない。だけれどもデュドナが凄いことをしたことは分かった。
「陛下は有言実行だなぁ」
そんな風にオルテンスは呟いていた。
デュドナから話を聞いてわずかの間しかたっていない。その間に妹姫はやらかし、デュドナは行動を起こした。
デュドナはそれだけ思い切りがよく、決断することにためらわない。
益々、デュドナはその行動で『冷酷王』などと呼ばれているが、それと同時にその侵略がオルテンスのためだということが知られているため、『冷酷王』がオルテンスを溺愛していると噂になっていた。
オルテンス自身は溺愛というのはよくわからないけれども、大切にされている自覚はあった。
可憐な見た目の妹姫であるが、デュドナからサーフェーズ王国の者が結婚式の祝杯の。ために訪れることはないため追い返せと通達がされているので彼らが騙されるわけはない。
オルテンスのことは、メスタトワ王国で広められている。愛らしい姫だと。そして麗国王が大変愛しているのだと。
そういう噂が出回っているので、メスタトワ王国の騎士たちもそのことを知っている。なので、わざわざ冷酷王の怒りを買ってまでそのサーフェーズ王国の姫を通すわけはなかった。
デュドナは報告を聞いただけだが、大変煩いものだったらしい。
自分がオルテンスの妹だと、そしてオルテンスに会わせるようにと喚いていたらしい。
ちなみにあまりにも煩くしつこいので、牢に一先ずぶちこんであるそうだ。
――サーフェーズ王国の姫である私に何をするの。
そんな風に、しつこいそうだ。そして牢で働く者を買収や色仕掛けで外に出ようとして嫌がられているらしい。
あまりにも相手にされないと、オルテンスのことを罵倒し始め、オルテンスを王妃にしようとするデュドナのことまで悪く言っているらしい。
当然、メスタトワ王国の者達は自らの国の王と王妃になるもののことをそんな風に言われて良い気持ちになるはずがない。寧ろこれだけ性格が悪いなんて……と噂になっているようだ。
デュドナは妹姫がメスタトワ王国に勝手に侵入したとして、サーフェーズ王国に宣戦布告をした。サーフェーズ王国の王はそれはもう狼狽していたらしい。
デュドナがその国自体を攻めることを決めたのは、オルテンスに対する態度もあるが、このままこの一族が王位を持ったままだとこれから先サーフェーズ王国が大変だろうと思ったからというのもある。
オルテンスはずっと王城に閉じ込められていた少女なので、王城に務める者達以外には特に手を出すつもりもなかった。
そもそも民たちは大国であるメスタトワ王国を相手に戦うのに怯えていた。
オルテンスがサーフェーズ王国で虐げられていたこと、そして妹姫がメスタトワ王国に侵入し暴言をわめいていたことが原因だと知ると、サーフェーズ王国の騎士たちの指揮も下がるものである。
そういうわけでそういう連中をメスタトワ王国の騎士たちは早急に味方に引き入れた。元々国民に手を出すつもりはなく、サーフェーズ王国の王家だけが目的だと大々的にメスタトワ王国は告げていた。
そして実際にメスタトワ王国の騎士たちは、国民たちに手を出すことはなかった。そのため、サーフェーズ王国の民たちは理由が理由であるし、メスタトワ王国の騎士たちをスルーしていた。メスタトワ王国の王が冷酷王と呼ばれていても、メスタトワ王国の王がしっかり王として国をおさめることを知っていたためとも言えるだろう。
そういうわけで侵略は簡単に行われた。
サーフェーズ王国の王家は処刑。
そしてその後釜に、サーフェーズ王国の王家の遠縁……その国の中でもまだまともな分類の貴族を祭り上げることにしたようだ。その貴族は国を支配する事には興味はなかった。微かに流れている王家の血もどうでもよく、王位などどうでもよかった。
しかしサーフェーズ王国の王家が馬鹿をやらかしたおかげで、メスタトワ王国から派遣される文官の監視の元サーフェーズ王国の王家になることになった。
その貴族は「メスタトワ王国の貴族に統治させるとかでいいんじゃないですか?」などと言っていたが、結局押し切られてその座につくことになった。
そういう侵略劇を、メスタトワ王国は驚くほどの速さでやってのけた。
オルテンスとデュドナの結婚式の時にはすっかりもうその戦いは終わっていたのである。
オルテンスは戦いのことは分からない。だけれどもデュドナが凄いことをしたことは分かった。
「陛下は有言実行だなぁ」
そんな風にオルテンスは呟いていた。
デュドナから話を聞いてわずかの間しかたっていない。その間に妹姫はやらかし、デュドナは行動を起こした。
デュドナはそれだけ思い切りがよく、決断することにためらわない。
益々、デュドナはその行動で『冷酷王』などと呼ばれているが、それと同時にその侵略がオルテンスのためだということが知られているため、『冷酷王』がオルテンスを溺愛していると噂になっていた。
オルテンス自身は溺愛というのはよくわからないけれども、大切にされている自覚はあった。