恋と2つのブランコ
夢視点

 今日が10月の4日。
 彼に合うのがとても怖かった。
 私は彼とお揃いのミサンガを付けて
 あの日の公園に向かった。




 早く着き過ぎたかな。
 私はブランコに座って彼を待つ。

 ちゃんと別れを告げなきゃ。



 本当にもう終わっちゃうんだなぁ。


 
 それから少しして、彼が来た。


 「お待たせ。ごめん。遅れた…」

 「大丈夫…。」

 彼は私の隣のブランコに座った。

 …繋いだ日々に終わりを始めよう。

 「あのさ、」

 やっとの思いで喋れた。

 「ん、?」

 「わ、私と、…別れてほしい。」

 ごめんね。
好きだけど、もう、我慢も隠せないの。

 「…わかっ、た。」

 「…だけどさ、…」

 本当はこんな言葉、言うつもりなんてなかった。彼を前にすると、何だか言いたくなってしまった。

 「これだけは約束してほしい…。
  次に"君"が誰かを愛した時には、
  私の時見たいに慣れないで、
  相手の人の愛にちゃんと向き合って
  あげてほしい。」

 それもそうだよ。だけど、何よりは、

「それに…誰か見たいに、わがままで、
 我慢ばっかり1人で溜め込んでる人…
 
 そんな人とは、恋に落ちないようにね。」



 「最後のわがままに指きり…」


 彼は黙ったまま、手を出して、
 約束した。

 「じゃあ、ね。



  今まで、ありがとう。バイバイ。」


 私は彼に顔を見せないようにそう言って、

 立ち去ろうとした。



彼の声を聞くと、泣いてしまいそうだから。
彼の顔を見ると泣いてしまうから。


だから立ち去ろうとしたのに、

 「待って…下さい。」


 何で止めるの、?

 そして、何で敬語なの、?

 「俺は、夢さんと、付き合いたいです。」


 え、?さっき、「分かった」って…

 指切りもした…のに、?

 「どう、して…」

 「…俺は、夢の事が好きだった。
  今もこの先もずっと好きなまま。
  だけど、俺は夢のことを泣かせた。
  だから、その分、反省しなきゃいけない。夢とはもう会わない事が償いだと思っていた。だけどやっと気がついた。夢の事を泣かせた分だけ、俺が幸せにする事。これが償いだって。」

 そんな事を考えていたなんて思ってもいなかった。

 「…だったら、さっきの指切りは、?」

 「その約束を果たす相手はまた、
 同じ人でも別にいいでしょう、?」

 彼はもう私の事が好きじゃないんだと思っていた。付き合っている時も、素っ気ない事もあったし、、、。
 だけど、こんな事を考えていたなんて…

 
 「…ごめん。ちょっとで、ちょっとで
 いいの。考えさせてくれる、?」


 「分かった。

  じゃあ、2022年の1月14日。
  今日と同じ時間、場所に。」

 なんでそんなに空いているのだろう。


 だけど、ちゃんと考えないと。
 その分、しっかりと考えないと。
                    
< 13 / 19 >

この作品をシェア

pagetop