恋と2つのブランコ
蘭視点



 1月14日。


 またあの公園へ向かう。



 家は近かったけど、1時間前に家を出て、
 彼女をまった。


 約束の時間まであと10分。


 すると、彼女が来た。

 「お待たせ…ごめんね。遅れて。」

 「全然待ってないから、大丈夫。」

 
 また今日もブランコに座る。


 僕より先に、君が口を開けた。

 また先を越された。

 「あのさ、私、思ったの。」

 「私達、ブランコ見たいだなって」

 「…ん、、??」

 急な発言に戸惑う。

 「だってさ、ずっとすれ違って
 行ったり来たり。そんな恋ももう、
 終わりにしたかったの。」

 完敗だ。
 
 そりゃそうだろうな。

 しっかり考えてくれた、彼女が、すごく眩しく感じられた。

 「…そっ、か。」

 「でもね。」

 「やっぱり君の事、大好きだったんだよ」

 「好きで好きで、だから泣いていたんだって、今気がついた。」

 「だから…さ、?」

 「もう一度、私と…」

 彼女が言いそうになる言葉を俺は止めた。

 「…ちょっと待って…」

 「え、?」

 「その言葉は、俺から言わせて、?」

 「え、、、」

 やっと言える。
 あの日の後悔を思い出すよ。


 「もう一度俺と、付き合って下さい!」

 「…」


 「はい、、!!」

 「…………え、」

 「ほ、本当に?」

 「うん!」


 …まさかOKしてくれるなんて思ってもいなかった。

 「あの、さ、実は」

 「ーーーーーーーーーって事があって…」


 俺は今までの事を全て打ち明けた。


 話していると、どんどん過去の俺が馬鹿らしくて、後悔しかなかった。
 その度に考えていたら、だんだん涙がこみ上げてきて、泣いてしまった。
 人前で泣いたのは初めてだ。

 「え」

 「今になったらただの言い訳に聞こえるかもしれない。それでも、信じてほしいなんて言わな「信じるよ」」

 信じて欲しいなんて言わない
 そう言おうとしたら、夢は、信じるよ
って、温かい言葉を俺にかけた。

 「蘭、これからよろしくね!」

 「だからもう一度君と、初めから」
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