恋と2つのブランコ
蘭視点


 もうあの日から2週間が経った。

 だけど未だに君が忘れられない。

 夢は俺に、こんなメッセージを送った。

 「ごめん。
  しばらくは、会えない…」

 そりゃそうだろうな。
 でも、しばらくは、だからもしかしたら、なんて馬鹿だよな。

 
 もう戻れない君へ、
 もう話せない君へ、
 「ごめん。本当は______」
なんていう事を言えたなら、ずっと、今もずっと夢見てたあの日が実現されて、楽しくって、幸せだったんだろうな。


 なんて事を考えながら、また今日も独りで夜を超える。
 AM5:00、眩しい日差しが、閉じた瞼を再び開ける。
 

 切れないミサンガ。これは君への愛が、
まだ沢山残っている証拠。

 付き合う前はすぐに返した返信だけど、
 気づけば慣れて遅れていたよね…。
 
 夢と一緒に居たくて、
 一緒に居たのに…
 
 俺はそれを当たり前だと思っていた。


俺はそんな日々を当たり前だと思っていた。



 だから罰が当たったんだ。
 なんて、馬鹿みたいだなぁ。


 俺は本当に、"当たり前"を失ってたよ。



 きっと、過去の僕を思い出して、
 その後悔を糧にして、1度初めからに戻りたくても、もう、間に合いはしないよね。


 届かない、「ごめん」の気持ち。
 届かない、「ごめん」のメッセージ。


 心の中で後悔して、心の中で謝る事しか、
今の臆病な俺には出来ないよ…     
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