姪っ子と私
先生は車で来られてて、美玲が乗れるように、チャイルドシートもつけてあった。
「先生、チャイルドシート用意してくださったんですか?」
「あぁ、美玲ちゃんが乗れるように・・・って言っても、実は、俺の姉貴が実家に置いてたやつなんだけど」
「そうなんですね。お姉さんがいらっしゃるんですね」
「そうなんだよ。俺よりも5つ上で、小学校の教師やってる。実家には、ちょくちょく甥っ子が来てるんだよ。もう小学生だけど・・・」
「先生、子ども好きそうですよね」
「まぁね、幼児期に成長して行く姿はマジで可愛いよね。純粋無垢な子どもの笑顔を守りたいって実習で思っちゃって小児科選んだんだ」
「子どもの笑顔ですか?すごい素敵なことですね」
「知春さんだって、美玲ちゃんの笑顔を誰よりも守ってると思いますよ」
「そうかなぁ、ときどき、不安になるんですけどね」
「そりゃ、子どもの命は重いから。育児っていいことばかりじゃないけど、美玲ちゃんがすくすくと育ってるのは知春さんの努力の成果だと思う・・・」
色々と話をしているうちにお店に着いた。

お店は、創作料理のお店で、席は個室になってた。
「ここ、子どもづれに人気らしくて、泣いても騒いでもいいってんで、甥っ子が小さい時とかよく来てた。どうぞ」って先生が美玲をチャイルドシートから下ろして、そのまま抱っこで店に入った。
< 14 / 65 >

この作品をシェア

pagetop