姪っ子と私
お付き合い
誠也先生とのお付き合いが始まったけれど、先生はお医者さんで週1回は「たちばな内科・小児科医院」で診療しているけれど、他の日は市民病院で勤務されてるから、当直もある。
日曜は休みって言われてるけれど、緊急の呼び出しがあったりしてる。
すごく忙しそうなのに、日曜は私たちと過ごそうとしてくれている。

日曜の朝、ドアベルが鳴って、すぐ美玲が玄関に走っていった。
ロックを外して、ドアを開けて先生を招き入れたら
「しぇんせい」って美玲が呼んだ。
「美玲ちゃん、おはよう」
「あのね、ちーちゃん、いたいいたいなの」
「えっ?いたいいたい?」
「うん」
ちょっと美玲、何を言い出すの??朝から頭痛がして、朝食後に薬を飲んだけど、なんで美玲が知ってるの???って思ってると
先生がじっと私の顔を見てた。
「うん、確かに顔色あんまり良くないな。知春さん、体調はどうですか?」
「えっ、大丈夫です・・・」って答えてるのに
「どうして目線が合わないのかな?正直に言ってごらん?」って言いながら額に手を当てられた。
熱はないから大丈夫なはず・・・
「熱はなさそうだけど・・・何か薬飲んだ?」
「・・・」
私が答えに窮していると先生が美玲に聞き出した。
「美玲ちゃん、ちーちゃんのお薬の場所知ってる?」
「うん、こっち」って美玲がキッチンの棚の下で指差してた。
「開けるよ〜」って先生が言って、薬箱を取り出した。
中身は、市販の痛み止め薬、虫刺され薬、消毒薬、絆創膏、ガーゼくらいしか入ってない。
美玲に向かって、「美玲ちゃん、ちーちゃんはこのお薬飲んでた?」って美玲と二人で話してる
「うん、ちーちゃんがいたいいたいの時のお薬」
あ〜、美玲に見られてたんだ・・・

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