姪っ子と私
診察室に呼ばれて、美玲を抱っこしたまま立ち上がって、診察室に入った

「お待たせしました。橘誠也です。今日は父に代わって診させてもらいますね。美玲ちゃん、ベッドに寝かせてくれますか?」
美玲を診察用のベッドに寝かせると、聴診器を当てて診察はじめた。
聴診器の感触のせいか、美玲が目を覚ました。
「ちーちゃん〜抱っこ〜」って泣き出した。
「美玲、大丈夫よ。診てもらおうね」

抱っこをせがんで暴れるので、仕方なく、美玲を抱き上げて、続きの診察をしてもらった。
「喉が真っ赤になってて、今、流行ってる夏風邪ですね。2〜3日は熱が出ると思いますが、お薬飲んで、水分をしっかり摂って安静にしていたら大丈夫でしょう。8度5分以上の高熱が出て、しんどそうなら、解熱の座薬を入れてあげてくださいね」
「はい。あの先生、食事とかは普通で大丈夫ですか?」
「そうですね。あんまり油っこいものとかはどうかと思いますが、普通の食事で大丈夫ですし、お熱が高い間は、食べたがるもので大丈夫ですよ。」
「わかりました」
「それじゃ、次は、知春さんを診ましょう。美玲ちゃん、知春さんも、もしもしするから、看護師さんの抱っこでも良い?」
「ちーちゃん、お熱?」
「そうだよ。ちーちゃんも、美玲ちゃんみたいに、先生にもしもしさせてね」
「うん」って美玲が看護師さんに抱っこされた。
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