クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
謝罪をすれば、凛久さんは少し思案する表情を浮かべた。


「それに、瑠璃に酷いことをした」
昨日のことだとわかり、私はなんといっていいかわからず俯いた。

「瑠璃は悪くない。俺が結婚をやめるって言われて、それが嫌であんな強引な態度を……」

「え……?」
結婚をやめたくないと思ってくれていることに、驚きが隠せない。

「瑠璃が俺の実家を見て、結婚を続けたくないと思ったことは仕方がないことだと思う。でも、もう少しだけ時間をくれないか?」
真摯に言われたその言葉に、私はどう返事をすればいいかわからない。
私は凛久さんに迷惑ばかりをかけている。私の実家の問題もあるし、彼の実家にも認められない妻だ。

それなのに、まだ継続したいと思ってくれてる。そのことが素直に嬉しい。

「でも、迷惑ばかりかけてます。実家のことも凛久さんの負担になってますよね」
< 100 / 176 >

この作品をシェア

pagetop