クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
決心と雪解け
残暑がまだ厳しく、セミの鳴き声がまだ聞こえる八月の終わり、私はいつも通りカフェに出勤していた。
あの日から、凛久さんとは穏やかに過ごしていた。彼の私に対する気持ちが、同情なのか、友情なのか、それとも少しは愛があるのか。
結婚を迫ってしまった責任かはわからないが、とても甘くて穏やかな日々だ。
夜は優しい腕に包まれて眠る。そして朝陽とともにキスで目覚める。本当の新婚夫婦のようで、それを壊したくなくて、凛久さんの気持ちを聞くのが怖い。三か月の約束はとっくに経過しているが、何も話していない私は卑怯かもしれない。
そんなことを思いながら、黒板を書いていると、自動ドアが開いて瑞樹君が私のところへ来る。