クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
「上月! これ見たか?」
「え?」
手には紙を一枚持っていて、それを私の目の前に差し出す。
「なにこれ」
ただその言葉が口から零れ落ち、髪を持つ手が震えて、頭が真っ白になってしまう。
そこにはこう書かれていた。
※合併のお知らせ※
株式会社スタンリーカフェが藤堂コーポレーションの傘下へと入るという内容だった。
あれほど一人で頑張りたいと言っていたのに、どうしてこんなことになってしまったのだろう。
確かに約束の三ヵ月は経過していた。業績が認められず傘下に入らざるを得なかったのだろうか。