クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

「外で話してないで中に入って」

確かに小声とは言え、外で話すようなことはないと私は口をつぐんで店内へと戻る。
そこにいたスタッフに、店長は話し始めた。

「もう知っているスタッフもいると思いますが、今回藤堂コーポレーションの傘下へ入ることになりました。しかし、店舗の拡大は早急に進みますが、この店舗もスタッフも何も変わりません。今まで通りよろしくお願いします。福利厚生など変わった部分は追って個別に藤堂から連絡がはいります」

その言葉にみんなが安堵したのが分かった。特に何も変わらず、福利厚生が充実するのならば、今いる社員たちにとってはいいことだ。

ただ、よくないのは凛久さんだけ……。
私はこれからのことが不安で仕方がない。私と凛久さんはどうなってしまうのだろう。