クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
その質問にキョトンとしてしまう。もちろん案内をするのに味を知らないとできないため、試食はさせてもらっている。

「はい、もちろんです。なのでお勧めできますよ。あっでも甘いの大丈夫ですか?」

私は甘いものに目がないので大丈夫だが、苦手な方ももちろんいるし、男性は特に多いかもしれない。

「やっぱり甘い?」

「うーん、そうですね。少し甘いかもしれません」
正直に答えれば男性は少し残念そうな表情を浮かべた。

「そうなんだ。あまり甘いものは得意じゃないけど、みんな食べてるからつい。ありがとう。仕事中にごめんね」

「いえ、申し訳ありません。そうですよね、確かに女性のお客様が多いですよね。男性向けにこれに濃茶をかけるとか、もしくはほうじ茶もいいかもしれないな……」

つい最後の方は自分の考えを呟いてしまっていて、私は我に返る。

「すみません」
慌てて謝罪をすれば彼は興味深そうに私を見た。

「濃茶?」
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