クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
「凛久さん……。もう一緒にいられないの?」
その手の温もりに、私は耐えきれず堰をきったように言葉が口をつく。
「何をいってるんだ?」
本当に訳がわからないと言った表情の瑠偉さんに、私はしゃくりあげながら問いかける。
「だって、もう、結婚続けられないんでしょ? 業績がダメだったから、藤堂に。私はもういらない?」
「瑠璃……それってどういう意味?」
一瞬驚いたように目を見開いた後、凛久さんはなぜか蕩けるような笑みを浮かべて問いかける。
「どうって……。だって、凛久さんのために私は何もできなかった。そんな私じゃ……」
「そんなこと聞いてない。今、瑠璃は俺といられなくなることを泣いてくれてる?」
ここで嘘をついても仕方がないとコクリと頷く。
「俺と一緒にいるのは実家を助けるためだけではもうない?」
「ないです。そんなの初めから」
「は?」
今度はかなり間抜けな声が凛久さんから漏れる。私はもはや今まで耐えていたものが溢れてしまい、子供のように言葉を紡いでしまうも、それを止められなかった。