クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
年上の旦那様をそんなことを呼べない気持ちと、もどかしい快感に涙ながらに首を振る。

「瑠璃、呼ばないとずっとこのままにしようかな」

「なっ」
やはりわざとそうしていたことを知り、私は意味が解らなくて凛久さんを軽く睨みつけた。

気持ちが伝わり、早く凛久さんを実感したいのに、激しく求めてくれていいと言ったのに、逆なことをばかりをする凛久さん。

意味が解らないし、私の心はもっと彼を感じたい。もっと強く抱きしめて欲しい。その欲求しかなくなってくる。

まともな思考回廊はもはやなくて、私は凛久さんに手を伸ばす。

「凛久、凛久。お願い。もっと……」
初めてかもしれない。凛久さんにこんな風に懇願するのも、敬語がぬけてしまうのも。

そんな私に、一瞬目を見開いた後、彼は一気に私の中へと入ってきて、目の前が白くはじける。
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