クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
「え? もしかして安村副社長の?」

「そうだよ。雅也の奥さん」

「なんだ……」

一気に力が抜けていく。まさか和泉さんが副社長の奥様など考えたこともなかった。

「雅也は俺が独立するときに一番助けてくれた友人だ。和泉は俺と雅也の大学の時の後輩でパティシエをしてる。だから今回もいろいろ助けてもらってる」
あの三人の学生時代を思い浮かべて、その迫力できっと大学では目立ってただろう。

「そうだったんですね」

「安心した?」
ホッと息を吐いたことを知っていて聞く凛久に、ムッとしてしまう。
想いが通じてからの凛久は少しイジワルだ。
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