クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

「瑠璃ちゃん、このソースは何?」
「おい、雅也、きやすく呼ぶなよ」
ムッとしながら副社長に怒る凛久さんに、雅也さんは気にすることなく「瑠璃ちゃんも同じ苗字だろ」と言い放つ。

そんな二人を見ながら、私と和泉さんは顔を見合わせて笑いあった。

和泉さんのお陰ですぐに、副社長のことも雅也さんと呼べるようになったし、楽しい時間を過ごすことができた。
こんな風に旦那様の友人たちと一緒の時間を過ごせるなど、少し前の私は考えてもいなかった。

「それにしても、凛久よかったな。瑠璃ちゃんに逃げられなくて」
アルコールも入り少し饒舌になった雅也さんが、凛久さんを揶揄うように言う。

「うるさい」
少し不機嫌そうに答えた凛久さんにかまうことなく、雅也さんは言葉を続ける。

「ずっとかわいい子がいるって知り合う前からいってたもんな」
「そうなの?」
和泉さんが驚いたように、雅也さんを見る。
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