クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する

「お疲れ様です。あの、ありがとうございました」

「いいのよ。仕事ばかりだから、女心に疎くてごめんなさいね」

「母さん……」
苦虫を潰したような表情でお義母様に語る凛久さんが可愛く見える。

「きちんと紹介すれば、訳の分からないどこかの令嬢も諦めるでしょうし、翠光園のお嬢さんの文句を言う方なんていないってわかったでしょ？」
なかなか凛久の隣にいる自分がふさわしくないのではないか、そんな不安をもっていたことをお義母様は見抜いていたのだろう。

「瑠璃さん、あなたはどこに出しても恥ずかしくない藤堂の嫁です。自信を持って」
「ありがとうございます」
その言葉が嬉しくて、涙声でお礼を言えば、お義母様は優しく微笑んだくれた。