クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
エピローグ
三年後
「瑠璃、行ってくる!」
「あっ、凛久捕まえて!」
仕事に行くために玄関へ向かっていた凛久は、私の声に満面の笑みでしゃがみこむ。
「波瑠! 転ぶなよ」
「あーい」
プロポーズの後、私たちは結婚式を挙げた。大切な人たちに囲まれ笑顔の溢れた素敵な式だった。
その一年後、私は赤ちゃんを授かった。その報告をしたとき、凛久は本当に喜んでくれた。
そして、子供ができるなら、広い庭のある場所で元気いっぱいに育てたい。そう言ったかと思うと、凛久はあっという間に土地を探してきた。
そして出産後に間に合うように建てたこの家は私と凛久のこだわりが詰まった家となった。
段差も少なく、広い庭には芝生にプール。お客様も多く来ることを考えて、バーベキュースペースも作った。
リビングから広がったフロアは玄関まで続いていて、高い吹き抜けになっている。その広いスペースを一歳半になる娘の波瑠は元気いっぱいに走っていく。
「ぱー。ダメ」