クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
ふたりの生活の始まり
今まで住んでいた実家とはまったく違う、モダンなインテリアに囲まれた場所で、私は急須を温めていた。
全面大きな窓ガラスには、高層ビルとすごく近くに感じる空。
その景色をぼんやりと見つめていた。
あの後、凛久さんはあっという間に話を進めとりあえず彼のマンションへと引っ越した。
『それほど広くはないけど、二人なら問題はないと思う』
そう言った彼だったが、ここならば五人でも住めると思う。三十畳はあるリビングには大きなソファーセットにおしゃれなダイニングテーブル。
そのほかには、凛久さんの図書館のような本がたくさんの書斎に、寝室。そして私にと言ってくれたゲストルームには浴槽までついていて、その部屋だけですべてが完結することができそうだ。
初めの数日はあこがれの人と一緒にいるという事実が信じられず、挙動不審だったが、そんな私に彼はいつもカフェで会っていた時のように接してくれた。
もちろん寝室も別だし、プライベートも距離を取ってくれた。